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基礎断熱に関して一言

何のために「基礎断熱」するのか?
がポイントだと思います。

床下からの寒さ対策であれば、もう一度考え直した方がいいと思います。
ベタ基礎であれば、その下に熱を蓄えた地層が眠っています。
その熱を活用する事が、エコな家づくりにつながると思います。

気密パッキンや基礎断熱で、床下の風通しが悪くなり、6月〜10月の間結露が発生します。
「数年すると基礎コンクリートの水分が抜け、結露しなくなる」
と言いますがこれは間違いだと思っています。
事実、10年経過した物件で結露した状態を確認しました。
条件さえそろえば、何年経過しても結露は発生しますし、そのたびにシロアリのリスクが高まります。

気密パッキンや基礎断熱で風通しを悪くするのは、家の耐久性を低めると判断しています。

断熱材カビ実験

断熱材を水に浸して、カビの発生を確認しました。
住宅検査 ホームリサーチ
断熱材カビ実験


写真は水に浸して6か月経過した状態です。
住宅検査 ホームリサーチ
断熱材カビ実験


左から
@発泡スチロール
Aグラスウール
Bセルロース
Cサーモウール
となっています。

@、Aに変化はありません。
Bのセルロース断熱材はカビのようなものが発生しています。(菌らしいです)
Cのサーモウールも全体が緑色に変色しています。
グラスウールがほとんど変化していない事に驚きでした。
さらに観察を続けます。

断熱性が高く、熱しやすく冷めやすい


断熱性が高く、熱しやすく冷めやすい空気の性質

空気は、身近なものの中で、最も断熱性が高い物質です。
しかし、熱しやすく冷めやすい性質でもあります。
一見矛盾するように思える空気の性質を、動画でわかりやすくお伝えします。
(もちろん動画はイメージです。)
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温度の高い空気と、温度の低い空気は、混ざりあうことが出来ない!と言われます。
「温度」は分子の振動です。
温度が高いと、分子の振動が活発。
温度が低いと、分子の振動が緩やか。

熱が伝わるのは、振動が伝わる事と同じです。
振動を伝えるには、相手が固定されてなければ伝わりにくいですよね。
空気同士は、自由に振動するので、振動が伝わりにくい、つまり熱が伝わりにくい。
これが「断熱性能が高い」理由。

そして、自由に動き回る空気は、激しい振動の物質から簡単に振動を奪います。
逆に、ゆっくり振動している物質に、振動を与えます。
これが「熱しやすく冷めやすい」理由。

家に入り込んでくる熱気や冷気を、空気で冷やしたり温めたりすることは困難。
入り込んでくる熱気や冷気は、「吸い出してしまう」方が効果的。
この”吸い出す”作業がAir断の特徴です。

熱交換換気扇の効果

熱交換換気扇

熱交換換気扇は有効?

熱交換率70% 140㎥/hの熱交換換気線の場合
 140㎥/h×70%=105㎥/h一般換気扇よりもエコな冷暖房が可能。

熱交換が効果的な季節
12月、1月、2月夜間
7月、8月日中
この間8時間、熱交換換気扇は一般換気扇よりも105㎥/hエコになる。
温度差が少ない他の季節や時間帯は、熱交換の効果が得られない。
春、秋に関しては、熱交換する必要が無い。

電気料金に換算!
1時間に2KW使用する冷暖房の場合。
一般的エアコンは、1時間に960㎥/hの空気を循環する。
この内105㎥/hがエコな換気になるので、
105÷960=約0.1がエコ換気になる。
2kwhの電気料金50円×0.1=5円が1時間にエコになる料金。
5円×8時間×5ヶ月=6000円が年間トータルのエコ料金と計算出来る。
(1時間50円の電気代は若干多めです。)

熱交換換気扇本体の電気料金 年間9720円 (消費電力45wh)
熱交換換気扇 総トータル=9720円ー6000円=3720円
3720円赤字となる。
冷暖房費は−6000円だが、年間の本体電気料金がそれを上回る。
更に、数年後のフィルター交換。
初期の本体価格を考慮すると、エコとは言えない!

※この計算が正しいとは言い切れません。
想定している「熱交換が効果的な季節、時間」が増えると、効果も増えます。
しかし仮に倍増しても、本体価格やフィルターの交換を考慮すると、エコとは言えないと考えています。

熱交換換気扇とは

熱交換換気線とは?

空気の入れ替えの際、冷暖房熱は捨てずに、空気だけ入れ替える換気扇です。
仕組みは単純です。

1.暖房した室内の空気を外に排出する時に、「熱交換素子」と呼ばれるフィルターを通ります。
2.このフィルターが室内の暖房熱で温まります。
3.外から入り込む空気は、上記フィルターを通って入り込むので、熱を奪って室内に入り込みます。

1〜3がループすることで、「熱交換」が進み、エコな換気が可能になると言われています。

問題点!
1.熱交換素子を通り抜けるには、強力な風量が必要。
 熱を吸収する為には、細かなフィルターを通す必要があります。
 細かなフィルターを通るには、大きな風量が必要になります。
2.春、秋、夏の夜は、効果が少ない
 温度差が少ない場合は、熱交換する意味がありません。
 春、秋、夏の夜間は、室内と室外の温度差が5度未満。
 温度差が少ないと、熱の移動は少なくなります。
3.目詰まりが発生して効果が落ちやすい
 強力に吸い込み、協力に吐き出すので目詰まりが発生します。
 虫も吸い込んでしまうほど強力に吸い込むので、目詰まりは必死。
4.熱交換素子の交換費用
 数年後には熱交換素子の取替が必要になります。
 (フィルターの奥深くまで汚れが浸透するので)
5.費用対効果が微妙
 熱交換が不要な時期も、24時間換気として使用する場合、強力な風量が仇となります。
 フィルター清掃、交換費用が発生します。
 
※外気温度の低いエリアでは効果があると思いますが、それ以外のエリアでは効果があるとは言いにくいと判断しています。
(外気温度がマイナスになるエリア)

3年目のフィルター

写真は、Air断住宅床下吸気部分です。
2018年7月4日の写真です。
丸3年経過した状態ですが、ほとんどゴミや汚れは付着していません。
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3年目のフィルター


理由!
1.「吸い込む力が圧倒的に弱い」
2.「ホコリやゴミを吸い込む力がない」
3.「基礎全体からユックリと吸い上げるから静電気が発生しにくい」


などが、ホコリが付着しない理由だと思います。
※ホコリが付着しないから、吸塵力が変わらない!

一般的換気扇は、急激に空気を吸い込むので、ゴミもホコリも同時に吸い込みます。
また、空気とフィルターとの摩擦で、静電気が発生し、ホコリが付着しやすくなります。
(虫も吸い込んでしまうほど強力な吸塵力なので、最低でも1年に1度はフィルターの掃除が必要です。)