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セルロースファイバーの調湿実験

「セルロースファイバーは、夏の湿気を吸って、冬に湿気を吐き出す!調質性能があるんです。断熱性能だけじゃないんです」
とご意見をいただきました。

担当者の話では、「セルロースファイバーは、自重の60%の水蒸気を吸い込む事が出来る」と語っていました。
しかし、実際のセルロースファイバー住宅の検証では、一般住宅の湿度とほとんど変わりません。

「窓の開け閉めが多いだけじゃないですか?」
とご指摘を受けたので、以下の追加実験を行いました。


本当に水蒸気を吸収しているなら、湿度99%に加湿した室内で、セルロースファイバーは水蒸気を吸って重くなるはずです。
これを実験しました。

2種類のダンボールを用意。
片方にはセルロースファイバーを400グラム
もう片方には硬質ウレタンフォームを400グラム
天秤に載せ室内を99%まで加湿。
4日間計測しました。
こちらが実験動画です。

セルロースファイバーが、自重の60%の水蒸気を吸収するなら、640グラムまでメモリが増えなければなりません。
硬質ウレタンフォームは、調湿性能がゼロなので、グラム数が増えることはありません。


結果は、両方とも450グラムに増加。
この増加は、ダンボールが湿気を吸収した水分だと判断出来ます。
つまりセルロースファイバーは、湿気を吸収していない事が実験から明らかになりました。

撥水加工してあるセルロースファイバーに「調質性」がある事自体に疑問を感じていましたが、実験結果からも「調質性」が無い事が示されました。
この実験結果や、実際の湿度データを検証した結果、「セルロースファイバーに調質性がある」とは言えないと判断しています。

吸い込んだホコリの排出について



「吸った埃はどこに溜まるのですか?」


とご質問を受けました。
家の場合、外壁の内側が通気層と呼ばれる部分で、この部分から外に排出されます。
動画は、Air断3年経過した住宅の通気層内部部をファイバースコープで撮影した動画です。
壁内部にホコリ等は見られませんでした。
通気層下部分から外部に排出されていると考えています。

また、通常の換気扇のように、空気を強力に吸い込んでいるわけではありません。
床下に沈殿した空気をゆっくりと吸い上げるので、入り込む段階でチリやホコリが少ないと判断しています。
近日中に4年経過したAir断住宅の通気層をアップする予定です。

負圧効果

「無菌室のような効果が得られます」は本当か?

ご質問がありましたのでお答えします。

無菌室の考え方は、患者から発生する菌をいち早く外に排出する事!だそうです。
部屋の空気を吸い出すことで、発生する菌が着床したり人に付着する可能性を小さくする事を目的としています。

人が大勢集まる映画館なども、負圧設計が基本になっています。

Air断は、各部屋のファンが一斉に動くことで、家内部を負圧にし、カビ菌などが付着しにくい構造になっています。
こちらの画像は、無添加の食パンをAir断住宅と、一般住宅に放置した時のカビの発生具合です。
住宅検査 ホームリサーチ
一般住宅の無添加食パン カビが大量

住宅検査 ホームリサーチ
Air断住宅の無添加食パン 一部カビ 


どちらも購入から1週間経過した状態です。

もちろん、カビの発生が少ない方がAir断住宅です。
これだけで「無菌室と同じような効果」とは言えませんが、効果はあると判断しています。

「6℃の温度差って本当?」

「6℃の温度差って本当?」

ご質問を受けたので、詳しく説明します。
測定場所は下図の部分。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


測定日時は2019年8月10日11時のデータを参照。
Air断住宅31.7℃
一般住宅37.9℃
その差6.2℃を記録しています。
その時のグラフがこちらです。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


青色が一般住宅
肌色がAir断住宅の壁内温度センサー値です。
通気層の対流が、外部から入り込む熱を遮断していると考えています。

セルロースファイバーの調湿性実験

「湿度を計測しただけで、セルロースファイバーの調湿性を疑うのはおかしい。セルロースじゃなかったら、もっと湿度が高いはず、セルロースは湿気を吸収してるんだ(怒)」
とクレームを受けました。

【セルロースファイバーは、夏の湿気を吸収し、冬に湿気をはき出す】

と断言する工務店からのクレームでした。

湿度データを見る限り、「湿気を吸収してる」とは判断出来ませんが、「湿気を吸収していない」とも言えません。
そこで、下記の実験を行いました。

セルロースファイバーと発泡ウレタン断熱材を計りに乗せ、室内を加湿して吸収した湿気の量を計測。
セルロースファイバーが湿気を吸収するなら、グラム数が増加するはずです。
96時間計測しましたが、どちらも最大25グラム増加。
そしてすぐに元の350グラムに戻りました。

この実験から言えることは、「セルロースファイバー断熱材が、湿気を吸収しているとは考えられない!」です。
※セルロースファイバーは、取り引き工務店から支給を受けた一般流通しているセルロースファイバーです。
そして、「夏の湿気を冬にはき出す」もかなり怪しいと判断しています。

熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?

「熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?」

ご質問を受けました。

熱交換型換気扇とは、室内の熱を外に捨てず、空気だけ排出する換気扇です。
夏冷房で冷やした室内の冷たい空気の、冷たさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
冬暖房で温めた室内の温かい空気の、暖かさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
こんな魔法のような事をやってのける換気扇です。

もちろん魔法では無く、本当に熱を交換して、空気の入れ替えが出来る換気扇です。

ただし、問題はその効果。

問題点1.
熱交換型換気扇の効果は、空気の排出量で決まります。
「最大150㎥/1h」なら、1時間に150㎥が効果の上限。
つまり、冷暖房した空気のうち、150㎥しか熱交換しないことになります。

エアコン冷暖房の場合、1時間に排出する空気の量は1000㎥にも達します。
この1000㎥のうち、150㎥しか効果を発揮できないわけです。
つまり、冷暖房熱の15%しか熱交換出来ない。
エアコンが1時間稼働した時の電気料金が30円と仮定すれば、15%、つまり4.5円の節約になります。
「熱交換率80%」の場合、4.5円×80%=3.6円
この時熱交換器が消費する電力が100wだとしたら、3円の電気料金が発生します。
3.6円のエコを達成するために、3円使用する。
最終的に1時間に0.6円のエコを達成することが可能!となります。

しかしこれは、冷暖房している時だけの計算。
そして、フィルターの目詰まりで熱交換率が60%に低下すると、0.3円の赤字が発生します。

問題点2.
熱交換器が設置される場所は屋根裏が一般的です。
そして屋根裏は、夏最も温度が高く、冬最も温度が低い場所。
(壁に設置されるダクトレス熱交換型換気扇も同様です)
熱交換器そのものが夏高温になり、冬低温になり、熱交換率を大きく低下させています。

問題点3.
本体の価格が高価で、得られる効果の方が低い。
フィルター交換など、メンテナンス費用が高価。

問題点4.
熱交換の必要がない”春、秋”は、全くもって無意味な換気扇です。

問題点5.
「花粉やpm2.5まで除去するので室内がキレイになる」
と指摘を受けました。
しかし、ドアの開閉や出入りする人が持ち込む”花粉、pm2.5”の方が桁違いに多いそうです。
特に、衣類に付着する”花粉、pm2.5”の量は桁違い。
換気扇で除去しても、出入りする人が大量の”花粉、pm2.5”を持ち込んでいます。
入り込んだ”花粉、pm2.5”を早く外に出す事の方が重要です。

まとめ
上記のような問題点から、”熱交換型換気扇”の効果は非常に少ないと考えています。
特に、「フィルター交換」が頻繁に発生するそうです。
「2週間で真っ黒、薦めておきながら、あれは失敗したと感じた」
と語る設計士もいたそうです。