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計算から導く高性能断熱材と安価断熱材の差

「なんの為の熱伝導率だと思ってるんだ!熱伝導率が低いほうが性能が高いに決まってるだろ!」
お叱りを受けたので、

U値(熱貫流率)と熱伝導率から
※※安価な断熱材と高価な断熱材の比較※※
を計算で説明します。
(必ずしも計算が正しいとは限りませんが、一級建築士の監修を受けて掲載しています。間違いがありましたらお知らせ下さい)

安価低性能断熱材 グラスウール100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(壁厚)÷0.04(熱伝導率))=0.4
U値0.4×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1856w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1856wの熱量が奪われる事になります。

高価高性能断熱材 フェノールフォーム100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(断熱厚)÷0.025(熱伝導率))=0.25
U値0.25×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1160w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1160wの熱量が奪われる事になります。

差は1856w-1160w=696w(1時間)
つまり、高価高性能断熱材のほうが、1時間に696wの熱量を節約出来る事になります。
この熱量をわかりやすく表現すると、
家全体で100ワット電球7個分の熱量です。
【6畳の部屋の場合50ワット電球程度の熱量。】
この小さな熱量でも、積もればエコにつながると思いますよね。
しかし、この小さな熱量は積もらないんです。

家の場合、
1.ドアの開け閉めによる損失
2.窓からの損失
3.24時間換気での損失
により、6畳で50ワット程度の熱量はかき消されてしまいます。
そしてなにより、この50ワット程度の熱量とは、「人が発する熱量75ワットよりも少ない。」と言う事実。
つまり、6畳の部屋に人が1人いるかいないかの差、ごくごく小さな温度です。

温度計でも測定出来ないレベルの温度差。
これが計算から割り出した、高性能断熱材と安価な断熱材の「差」
つまり、性能が高い断熱材を使用しても、体感出来るような温度差は生じない!と言う事です。


(冷蔵庫や飲料水自動販売機の場合は、完全に密閉された状態なので、損失が極めてゼロに近い。つまり、小さな温度でも積もり積もってエコに繋がります)

サーキュレーターの効果

「サーキュレーターで室内温度を一定にする!」

なんて話を聞いたことがあると思います。
本当に効果的なのか?
実験しましたが、天井付近の温度と床の温度差が縮まる事はありませんでした。
これはナゼなのか?

冬暖められた空気は軽くなり天井付近に溜まります。



天井に溜まった空気は、温度を失わない限り床面に降りてくることはありません。
動画のように、どれだけサーキュレーターを使用してもヘリウム風船が降りてくることはありません。
つまりサーキュレーターや天井に取り付けたルーフィングファンなどで、室内の温度を一定にすることは”極めて難しい”と言う事になります。

部屋干しによるカビについて

湿度の高い沿岸部では、室内に結露によるカビが発生することがあります。
6月〜9月の間は注意が必要です。
Air断で換気しても、湿気を吸い込みやすい家具や衣類などはカビが発生する可能性があります。
(部屋干しだけの沿岸部住宅で、家具の裏にカビを確認しました)

音漏れに関して

音漏れするのでは?
音漏れに関する質問がありました。
各部屋の換気扇から、室内の音が外に漏れだすのでは?と言ったご質問です。

室内テレビの音量を60レベルに上げて、そのまま外に出て音漏れを確認しました。

Air断住宅の換気扇は、室外に貫通していません。
キッチンフードと浴室換気扇の排気口以外、外部に排気口はありません。
動画で確認できるように、音量60レベルでも、ほとんど外部に音は漏れ出していません。

西面で若干音漏れがありましたが、気になるレベルでは無いと判断しています。

(後日詳しく検証した結果、西側の音漏れは、キッチンフードからの音漏れと判断しました。)

暖房熱が床下に逃げてるんじゃない?

「床下に暖房の温度が逃げてるんじゃない?」
ご質問がありましたので・・・。

下記グラフは、2016年2月9日〜11日までエアコン暖房を完全に止めたAir断住宅の温度推移です。(旅行で暖房を止めました)
9日は床下温度15度で一定。
室内温度は軒並み温度が低下
住宅検査 ホームリサーチ
暖房熱が床下に逃げてるんじゃない?


10日も床下温度は14度で一定。
室内温度は10度を記録
住宅検査 ホームリサーチ
暖房熱が床下に逃げてるんじゃない?


11日も床下は14度で一定。
室内は9度を記録。
19時帰宅後リビング暖房をつける。
リビング温度が急上昇、その他の部屋もグングン上昇。
住宅検査 ホームリサーチ
暖房熱が床下に逃げてるんじゃない?


これらのデータから、リビング暖房温度が床下に逃げているとは考えられません。
特に基礎中央部分には、地盤熱がたっぷりと蓄えられています。
この熱のお陰で、真冬でも14度の熱があるのだと思います。

エアコンについて

エアコン暖房時に、設定温度に達するとエアコンはエコモードに入ります。
この時エアコンから出てくる風は送風状態。
場所によっては、この送風を冷たく感じる事があります。

Air断を止めても、エアコンの送風が原因なので冷たさは続きます。
対処法としては、エアコンの設定温度を上げるか、寒いと感じる場所で補助暖房を行ってください。