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「6℃の温度差って本当?」

「6℃の温度差って本当?」

ご質問を受けたので、詳しく説明します。
測定場所は下図の部分。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


測定日時は2019年8月10日11時のデータを参照。
Air断住宅31.7℃
一般住宅37.9℃
その差6.2℃を記録しています。
その時のグラフがこちらです。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


青色が一般住宅
肌色がAir断住宅の壁内温度センサー値です。
通気層の対流が、外部から入り込む熱を遮断していると考えています。

セルロースファイバーの調湿性実験

「湿度を計測しただけで、セルロースファイバーの調湿性を疑うのはおかしい。セルロースじゃなかったら、もっと湿度が高いはず、セルロースは湿気を吸収してるんだ(怒)」
とクレームを受けました。

【セルロースファイバーは、夏の湿気を吸収し、冬に湿気をはき出す】

と断言する工務店からのクレームでした。

湿度データを見る限り、「湿気を吸収してる」とは判断出来ませんが、「湿気を吸収していない」とも言えません。
そこで、下記の実験を行いました。

セルロースファイバーと発泡ウレタン断熱材を計りに乗せ、室内を加湿して吸収した湿気の量を計測。
セルロースファイバーが湿気を吸収するなら、グラム数が増加するはずです。
96時間計測しましたが、どちらも最大25グラム増加。
そしてすぐに元の350グラムに戻りました。

この実験から言えることは、「セルロースファイバー断熱材が、湿気を吸収しているとは考えられない!」です。
※セルロースファイバーは、取り引き工務店から支給を受けた一般流通しているセルロースファイバーです。
そして、「夏の湿気を冬にはき出す」もかなり怪しいと判断しています。

熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?

「熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?」

ご質問を受けました。

熱交換型換気扇とは、室内の熱を外に捨てず、空気だけ排出する換気扇です。
夏冷房で冷やした室内の冷たい空気の、冷たさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
冬暖房で温めた室内の温かい空気の、暖かさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
こんな魔法のような事をやってのける換気扇です。

もちろん魔法では無く、本当に熱を交換して、空気の入れ替えが出来る換気扇です。

ただし、問題はその効果。

問題点1.
熱交換型換気扇の効果は、空気の排出量で決まります。
「最大150㎥/1h」なら、1時間に150㎥が効果の上限。
つまり、冷暖房した空気のうち、150㎥しか熱交換しないことになります。

エアコン冷暖房の場合、1時間に排出する空気の量は1000㎥にも達します。
この1000㎥のうち、150㎥しか効果を発揮できないわけです。
つまり、冷暖房熱の15%しか熱交換出来ない。
エアコンが1時間稼働した時の電気料金が30円と仮定すれば、15%、つまり4.5円の節約になります。
「熱交換率80%」の場合、4.5円×80%=3.6円
この時熱交換器が消費する電力が100wだとしたら、3円の電気料金が発生します。
3.6円のエコを達成するために、3円使用する。
最終的に1時間に0.6円のエコを達成することが可能!となります。

しかしこれは、冷暖房している時だけの計算。
そして、フィルターの目詰まりで熱交換率が60%に低下すると、0.3円の赤字が発生します。

問題点2.
熱交換器が設置される場所は屋根裏が一般的です。
そして屋根裏は、夏最も温度が高く、冬最も温度が低い場所。
(壁に設置されるダクトレス熱交換型換気扇も同様です)
熱交換器そのものが夏高温になり、冬低温になり、熱交換率を大きく低下させています。

問題点3.
本体の価格が高価で、得られる効果の方が低い。
フィルター交換など、メンテナンス費用が高価。

問題点4.
熱交換の必要がない”春、秋”は、全くもって無意味な換気扇です。

問題点5.
「花粉やpm2.5まで除去するので室内がキレイになる」
と指摘を受けました。
しかし、ドアの開閉や出入りする人が持ち込む”花粉、pm2.5”の方が桁違いに多いそうです。
特に、衣類に付着する”花粉、pm2.5”の量は桁違い。
換気扇で除去しても、出入りする人が大量の”花粉、pm2.5”を持ち込んでいます。
入り込んだ”花粉、pm2.5”を早く外に出す事の方が重要です。

まとめ
上記のような問題点から、”熱交換型換気扇”の効果は非常に少ないと考えています。
特に、「フィルター交換」が頻繁に発生するそうです。
「2週間で真っ黒、薦めておきながら、あれは失敗したと感じた」
と語る設計士もいたそうです。

床下に入れた炭に白カビ

「床下に入れる”炭”が床下の湿気を吸う」

と言われて、床下一面に炭を入れた住宅でトラブル発生。

炭は、湿気をほとんど吸わないと言われています。
また、夏の床下は、最も温度が低い場所です。
夏の温かい湿った空気が、床下のコンクリート面に接触して結露する危険な場所です。
その床下に、”炭”を入れると、逆に空気の流れが悪くなり、大量の結露が発生します。
この結露により、
1.床下に入れた炭全体に、白カビが発生し異臭を放つ。
2.結露によりプールのような状態となり、コバエが大量発生。
このようなトラブルが報告されています。
床下には出来る限り何も置かず、空気が通りやすい環境にすることが重要です。

「セルロースが調湿する」は間違い!

 「セルロースファイバー断熱材が、部屋の湿度を調整します。
  夏湿気を吸い込み、冬に湿気を吐き出します。」

これが事実なら、夏吸い込んだ湿気を、4ヶ月後の冬に放出するわけです。
4ヶ月前の水分は、汚染されないのでしょうか?
カビや菌が発生してるのでは?
そもそも、壁内部の断熱材が、部屋の湿気を吸い込んでるのだろうか?
吸い込んでいるとしたら、他の家よりセルロースファイバーを使った家のほうが、室内湿度が低下するはず。

こんな疑問から、セルロースファイバー住宅と外断熱工法住宅で、室内湿度の変化を比較しました。
こちらがその比較動画です。



セルロースファイバー住宅の方が、外断熱工法住宅よりも室内湿度が高い事がわかりました。
他の実験でも、セルロースファイバーに”調湿性”が見られない事が分かっています。

「セルロースファイバーは調湿性がある」

は信用出来ないと判断しています。

グラスウールは結露するのでは?

「グラスウールは結露するのでは?」

こんなご意見をいただきました。
ネットにはグラスウールが結露した写真が沢山出てきます。
しかしグラスウールが結露してるわけではありません。
他の断熱材に変えても、同じ環境であれば結露します。
つまり、「結露する環境であれば、どんな断熱材でも結露する」が正しいと考えています。

こちらは、2018年5月〜10月までの実験棟断熱材内部湿度データです。
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールは結露するのでは?


住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールは結露するのでは?


1.グラスウール
2.ロックウール
3.発泡ウレタン
4.木材(ログハウス系)
5.スタイロフォーム
6.フェノールフォーム
7.セルロースファイバー

上記7種類の断熱材内部の5ヶ月間湿度データです。

どの断熱材も大差ありませんよね。
厳密に言うと、ロックウールとスタイロフォームの湿度が若干高い事がありました。
グラスウールはセルロースファイバーと変わらない湿度を維持。

これらのデータから、内部結露を起こすのは、グラスウールが原因ではないと言うことが分かってきてます。
「グラスウールは結露する」と言う表現は間違えていると判断しています。