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地盤改良って必要だろうか?



東京モデルハウス無断熱材の家が完成して間もなく、設計士吉田が意味深な事を言い出した。

現在、地盤改良の費用は、平均すると150〜160万円が相場。
家が傾かないように、基礎の下で家を支える重要な工事ですが、
本当に必要だろうか?と言い出しました。

家の荷重は35坪の家で80トン前後。
メチャクチャ重いですよね。
しかし、体重70キロの人の方が接地面積的には重い事をご存知でしょうか?

35坪の家の場合、基礎の底面部分は100u程度の大きさ。
つまり1uに換算すると、800キロになります。
対して、70キロ、人の足の裏の平均面積は0.027u。
1uには、37人分の足裏が入ることになります。
37人×70キロ=2,590キロ
つまり、1uあたり2,590キロとなります。
家の荷重1uあたり800キロに対して、3倍以上2,590キロの荷重になるのが、70キロ、人の体重です。

片足で立ったら、0.0135uに70キロ。1uに換算すると、家の6倍以上、5,180キロの荷重が、地面にかかる事になります。
人の足にかかる荷重は、家よりもはるかに重いんですよね。
しかし、片足で立ったからと言って、地盤にめり込むような土地はなかなかありません。
めり込むようであれば、軟弱地盤、地盤改良が必要だと思われます。
つまり、片足で立って、めり込まなければ、地盤沈下する可能性は極めて低い…となります。

しかし、万が一があります。沈下しないとは言い切れません。
そこで、「万が一地盤沈下しても、簡単に沈下修正出来ればよいのでは?」と考えていました。
土台と基礎のあいだに、アジャスターを設け、万が一沈下した場合、アジャスターを回転させて家を持ち上げる・・・
簡単そうですが、実は、これが出来ないんです。
アジャスターを締め付けるボルトは壁の中。つまり壁を壊さなくては、締め付けボルトが出てこない。
締め付けボルトが出てこない限り、アジャスターは回転しない・・・
これが難問でした。
これを解決したのが、インテンショナルロック機能を持ったボルト。
インテンショナルボルトと呼んでいます。


秘密は、アジャスターとインテンショナルボルトの接合部にあります。
現在特許を出願中です。
インテンショナルボルトを締め付けると、アジャスターとインテンショナルボルトが一体化!
土台下部のアジャスターを回せば、インテンショナルボルトが一緒に回転。
壁を壊すことなく、家を少しずつ持ち上げます

もちろん、ホールダウン金物も調節出来るように設計してあります。

2階建までの木造住宅なら、沈下が起きる可能性は極めて小さく、万が一沈下した場合も、簡単に修正が可能。
これにより、150〜160万円かかる地盤改良費用が不要になります。
さらに、基礎立ち上がりを均一にしなくても、ミリ単位で調整出来るので、基礎工事が簡素化できます。
さらに基礎パッキンが不要。
万が一沈下が起きれば、外壁下部を外してアジャスターを回転させるだけで、沈下修正が可能。
コストが下がり不安も軽減出来ます。


問題は、本当に家が持ち上がるのか?

「計算では持ち上がるが、実際に、大阪モデルハウスを建ててみて、実験して見てはどうだろう?」
吉田の発言に、経理が反発。
「この本社も、愛知モデルハウスも残っているのに、追加で北海道と東京モデルハウスを頼み込んだばかり、銀行は無理ですよ」

「これは、建築に革命を起こすかもしれない商品、銀行も理解してくれるはずです。。。。。」

「革命ですよね、あざーす!何とかしま〜〜す・・・・」

「エェェェえええええ〜〜〜〜〜〜っ」

こうして、大阪モデルハウス、インテンショナルボルトを使用した無断熱材の家!プロジェクトが始まりました。

すでに土地購入を終え、順調にいけば年内に完成予定です。
Air断マガジンで、随時報告いたします。

アルミ遮熱断熱材実験

「以前のアルミ遮熱断熱材実験は、住宅で使用してる遮熱断熱材ではない!実験がオカシイ」
とご指摘を受けましたので、新たに取り寄せて、7月27日より計測を開始しました。
動画のように、発泡クーラーボックス内に温度センサーを入れ、アルミ遮熱断熱材で2重に覆いました。
部分的に5重になっている部分もあります。


さらにこの発泡クーラーボックスを、クーラーボックスに入れて東面ベランダに放置。

住宅検査 ホームリサーチ
アルミ遮熱材断熱材が入ったクーラーボックス


超高気密、そして超高断熱、さらにアルミ遮熱断熱材による熱の反射まで行なっている、特製クーラーボックスをベランダに配置。
こちらがその特製クーラーボックス内部温度データです。
住宅検査 ホームリサーチ
7月28日アルミ遮熱断熱材温度データ


前回の実験データとほとんど変わっていません。
外気温度の上昇と同時に、内部温度も上昇し、外気温度の下降と同時に、内部温度も下降・・・。


断熱気密性の高いクーラーボックス内部に、さらにアルミ遮熱断熱材でグルグル巻きにした発泡クーラーボックス内部の温度センサーが、太陽光や外部温度の影響を受けて、ほぼ同時に温度が急上昇したり、下がったりしています。

圧倒的な気密性能、そして断熱性能を持ったクーラーボックスでも、内部温度は外気の影響を受けて上下する事が分かると思います。

アルミ遮熱断熱材を、家で利用しても、あまり意味が無いと理解できるのではないでしょうか?
しかも、家の場合、24時間換気の義務化により、家内部の空気を入れ替える必要があるので、特製クーラーボックスの様な「高気密」状態を作る事は出来ません。


アルミ遮熱材は、放射熱を反射する能力は高いと思いますが、対流熱に関しては全く反射していないそうです。
さらに、放射熱を反射しても、跳ね返って暖められた部分から対流熱となって伝わってくるので、反射してもしなくても、同じ事!だと言われます。
(反射した光が、2度と帰ってくることが無い宇宙空間であれば、効果は高いです)

「なぜ外気温度よりも、アルミ遮熱材内部温度の方が高い?」
これは、太陽光がクーラーボックスを直接温め、その温度がクーラーボックス内部に伝わる為です。
外気温度は、地盤面から2mの高さの空気の温度を計測しています。太陽光の影響を受けにくい場所の温度なので、クーラーボックス内部の方が温度は高くなります。


ご理解いただければ幸いです。

この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」

※カビ
住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


写真の真ん中、高級バッグだけにカビが発生
他の革バッグには、カビの痕跡はありませんでした。
使われている革が”良いのか悪いのか”分かりませんが、とにかく高級バッグにはカビが発生しやすいと思います。

4月からこの状態のままで、高級バッグだけにカビです。
防水スプレーや、革クリームなどで保護が必要かもしれませんね。
ちなみに、他の場所に置いてある高級バッグもカビが発生したそうです。
さらに、高級コートにもカビが発生したそうです。
高級品、特に「革製品」の取り扱いにはご注意が必要です

※虫の入り込み
住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


引き違いサッシの網戸を、写真の様な状態にしておくと、虫が入り込みます

住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


この写真の網戸が正しい位置です。
網戸を逆にすると、小さな虫がガンガン入りだします。
サッシは、YK〇樹脂サッシ、高気密型ですが、それでも網戸の状態が悪いと、虫が入り込みます。
特にAir断の場合、室内が負圧設計なので、引き違いサッシの場合、空気漏れが発生します
ご注意ください。

住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」

住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


開き戸タイプのベランダサッシなどを推奨しています
北海道、東京モデルハウスでは、「引き違いサッシ」を一切使用していません。
さらに、北海道で建設される家にも、引き違いサッシ使用は少ないです。

過乾燥になるメカニズム



過乾燥になるメカニズム
そして、Air断が湿度20%以下でも過乾燥にならないメカニズムを解説します。

「湿度20%以下、過乾燥になってますよね!」

ご質問があったのでお答えします。
湿度20%以下・・・これは、相対湿度を指しています。
一般的な湿度計では、相対湿度が使われ、単位は%で表示されます。
%ですから、“確率”と考えることが出来、“おおよそこれくらい”のような感じで用いられるのが相対湿度です。
ですから、「相対湿度が20%以下だから過乾燥」と、ひとくくりで決められるものではありません
こちらの動画で、温度と相対湿度、そして絶対湿度の関係を説明します。
幅10メートルのプールがあると仮定します。
ここに半分まで水が入っていると仮定します。
つまり50%の水位です。
このプールの幅が、20m、倍に広がったら?
50%の水位は、25%に下がりますよね。
逆に5m、半分に縮まったら?
50%の水位は、100%、満タンに上がりますよね。
この時、水分量は全く変化していません。
プールの大きさに対して、水位が変化してるだけです。
これが、温度、相対湿度、そして絶対湿度の関係です。
プールの大きさが、温度。広がれば温度が高い、縮まれば温度が低い状態。
水位が相対湿度、そして、水分量が絶対湿度です。
プールが広がると水位が下がる、つまり温度が上がると相対湿度が下がる。
プールが縮まると水位が上がる、つまり温度が下がると相対湿度が上がる。
相対湿度は、湿度の上下に左右される少しいい加減な数値
しかし、水分量はプールが広がっても縮まっても変化しない。
つまり絶対湿度は温度の上下では変化しない!数値と言えます。

要するに、正確な空気中の水分量を知るには、絶対湿度を知る事が重要で、
絶対湿度の低下こそが、「過乾燥」と呼ばれる状態だと言われています。
絶対湿度の単位には、%ではなくgが使われます。
こちらが絶対湿度を表示する湿度計です。
上から絶対湿度、単位はg/㎥
真ん中が温度、下が相対湿度、単位は%となります。
絶対湿度は、1㎥の空気中に、何グラムの水蒸気が含まれているか?を表示しているので、
温度の上下に左右される事なく空気中の水蒸気量を把握する事が出来ます。



こちらは、絶対湿度と相対湿度が温度で変化する動画です。

外気温0.5℃、絶対湿度3.8g、そして、湿度76%の室外です。
ここからAir断愛知モデル内部に入ります。

室温がグングン上昇すると共に、相対湿度がグングン下がり始めます。
そして絶対湿度も若干上昇・・・。

最終的に、室温23℃、絶対湿度5.7g、相対湿度28%になりました。
絶対湿度的には、室外で3.8gだったのが、室内に入ると5.7g。2グラム増加。
室内の方が湿度は高い事になります。
相対湿度的には、室外が76%だったのが、室内に入ると28%、室内の方が湿度が圧倒的に低い事になります。
どちらが正しいのでしょうか?
もちろん、湿度を正しく把握するのは、温度に左右されない絶対湿度です。



一般的に室外では、夏場は1㎥25g程度、冬場は5g程度と言われます。
夏の25gと比べると、冬の1㎥5gは5分の1、「少なッ」と思うかもしれませんが、この1㎥5gをあなどってはいけません。
家が気候の影響を受ける範囲を、少なく見積もって1q四方と考えた場合、この1q四方に5000トンの水蒸気が含まれている状態が1㎥5gです。
1㎥に5gと言う水蒸気量は、お風呂の水に例えると25000杯分。
1日1杯としても、65年分の水分量です。家にとって、無尽蔵と言えるほどの水分量を含んでいる事になります。

しかし、最近の高気密住宅では「過乾燥」が問題視されます。
家周辺には、無尽蔵とも言える5000トンの水蒸気がフワフワ浮いているにも関わらず”過乾燥”
これは、高気密化と、エアコン暖房、そしてコールドドラフト現象が原因だと言われています。

高気密住宅では、気密性が高く、空気の循環が妨げられます。
特に冬季は、冷えた壁や窓ガラスに、室内の空気が接触して冷やされます。

空気の循環が悪い高気密住宅では、冷やされた空気は重くなり、壁を伝わって床面に広がり、冷たい層を形成します。
これがコールドドラフト現象。
この壁や、床面に広がった冷たい空気の層は、エアコンが放出する暖気と反発し、暖気を寄せ付けません。冷たい空気と暖かい空気は混ざり合わない事が原因。
暖気が寄り付かない壁や窓ガラスは、外気と同じ温度まで徹底的に冷やされます。
この外気と同じ温度に冷やされた壁や窓ガラスに、室内の水蒸気が接触。
暖かい空気は、冷たい空気と反発しますが、暖かい空気に含まれている水蒸気は、反発する事なく冷たい部分に突撃。
結露して水へと変化します。
床や絨毯、木材などは、結露した水分を吸収。
水分を吸収できない窓ガラスなどでは、目視できるほど大量の水分が発生します。

一般的なエアコンで暖められた空気は、50℃前後で噴き出してきます。
そして、50℃前後の空気は、16℃以下の物質に接触すると”結露”を起こします。
コールドドラフトで冷やされた、壁、床、に接触して瞬間に結露。
これらの物質表面で結露した水分は、それぞれの物質が瞬く間に吸収。

水分を吸収しないアルミサッシやガラス表面では、結露による水滴が発生し、冬季貴重な空気中の水蒸気が失われます

水蒸気を失った空気を、もう一度エアコンが吸い込み、50℃前後に加熱して放出。
そしてコールドドラフトで冷やされた16℃以下の物質に接触して結露・・・これが繰り返される事で、空気中の水分をカラカラになるまで搾り取ります。

1㎥5gの水蒸気を含んでいた空気は、エアコン暖房1時間後には4g、2時間後には3グラムと目減りし5〜6時間後には1gを割り込む、まさにカラカラ乾燥状態、
これが高気密住宅の「過乾燥」メカニズムと言われています。



Air断住宅では、1時間に1200㎥、通常24時間換気の20倍程度の空気を外部から取り入れています。
外気の絶対湿度が1㎥5gだとしたら、どれだけエアコン暖房を行なっても、1㎥5gが目減りする事はありません。
何時間後も、外気と同じ5gをキープするのがAir断住宅です。
理由は、コールドドラフトが発生しないから!
壁や窓ガラスで発生する冷たい空気を、壁に取り付けたファンが真っ先に通気層へと吸い出します。さらに、通気層を流れる空気が、外部から伝わる冷気や暖気も押し返します。
コールドドラフトの発生が少ないAir断住宅では、一番冷たくなる窓ガラスやサッシでも20℃前後。だから、空気中の水蒸気が結露して失われる事がありません。
同じ空気を何度も何度も暖める“高気密住宅”ではなく、コールドドラフトの発生を抑え、常に新鮮な空気を暖める“Air断住宅”だけが、エアコン暖房でも過乾燥になりにくい特徴を持ちます

これらの理由から、

「湿度20%以下だから過乾燥」
とは言えないのです。

ただし、Air断住宅で加湿器を使用しても、湿度はほとんど増加する事はありません。
これは、室外で加湿器を使用しているようなものだからです。
つまり、草原のような環境を、室内で作り出しているからです。

弊社の見解が正しいとは言い切れませんが、愛知、北海道、東京モデルデータを検証する限り、正しいと判断しています。

「熱交換換気扇を使った方が良いのでは?」 ご質問があったのでお答えします。



熱交換換気扇とは、冷暖房した熱を外に捨てる事なく、空気を入れ替える事が出来る換気扇です。

仕組みは簡単です。
まず夏季エアコンで冷房したケースを説明します。
エアコンで室内を26度にした場合、通常の換気扇だと冷房した空気をそのまま外に捨ててしまいます。
しかし熱交換換気扇は、冷房した空気を熱交換素子、分かりやすく言うとフィルターみたいな物で熱を蓄えて外部に放出しています。
次に外部から空気を取り入れる場合は、先ほど熱を蓄えたフィルターを通して空気を取り入れています。
エアコンで冷房した冷たい熱が蓄えられたフィルターを通り抜けてくることで、冷たい空気が入り込む。
熱を外部に捨てる事なく、空気の入れ替えが出来る!
これが熱交換換気扇の仕組みです。冬季は逆となります。
一見するとエコな感じがしますが、細かく調べるとエコではないと判断しています。

詳しく説明します。電気料金は1kWh26円で計算しました。
まず、一般換気扇(仕事量70㎥/h)を使用した場合、1時間で3Whの電力を消費します。
1時間の電気代は、26円×0.003kWh=0.078円
年間の電気代は、0.078円×24時間×365日=683円。
熱交換はしていないので、節約金額はありません。
24時間換気にかかる料金は年間で683円となります。

次に、熱交換換気扇を使用した場合、1時間で60Wh程度の電力を消費します。
一般的な換気扇の20倍の電力を消費します。
熱交換フィルターを通り抜けるには、それなりのパワーが必要になるからです。
1時間の電気代は、26円×0.06kWh=1.56円
年間の電気代は、1.56円×24時間×365日=13,665円
続いて、熱交換による節約金額を計算します。
熱交換による節約量は、熱交換換気扇の風量×熱交換率で決まります。
仮に最大風量が100㎥/h、熱交換率70%の場合は、100㎥/h×70%=70㎥/hが熱交換による節約量です。
エアコンが1時間に吐き出す冷暖房した空気は、約1000㎥/hと言われます。
つまり、エアコンが作り出した1000㎥/hの熱量のうち、70㎥/hを熱交換するのが、熱交換換気扇の節約量となります。
つまり7%。
つまり、エアコンが発生させる熱量の7%を、熱交換換気扇が外に捨てる事なく、空気の入れ替えをしてくれるわけです。
エアコンが1時間に消費する電力量が1kWhとすると、現在の価格では26円程度。
26円の7%は、1.82円。
つまり、1時間に1.82円節約してくれることになります。
一般的なエアコン使用量は、1日10時間程度。
そして、エアコン使用期間は大目に見て10カ月。
年間にすると、1.82円×10時間×30日×10カ月=5,460円の節約金額になります。
つまり、熱交換換気扇は、年間5,460円の節約につながりますが、その為の電気料金に13,665円必要となるワケです。
確かに、夏冬エアコン稼働時にはメリットがあります。
しかし春秋エアコンが稼働しない時期は、熱交換のメリットは無く、ただただ電気代の無駄。
トータルでは、熱交換によるメリット金額を、本体を稼働させる電気料金が上回り、逆ザヤが発生。

さらに、熱交換換気扇の本体価格は、通常の換気扇の10倍以上。
通常の換気扇が5000円〜6000円に対して、5万円〜12万円必要です。
ダクト工事費も必要で、使用後フィルターのメンテナンス、交換が必要になります。
フィルターメンテナンスや交換を怠ると、フィルターに目詰まりしたゴミを通りぬけて空気が入り込むので、家中が匂い始めます。
「フィルターで花粉やゴミをキャッチして、室内にクリーンな空気を取り入れます」
とありますが、キャッチしたゴミを通り抜けて入り込む空気を、クリーンだとは思えません。そして、花粉やゴミ、そして小さな虫など、人が衣服に付着して持ち込む量の方が数倍多いそうです。持ち込まれた花粉やゴミ、そして小さな虫も、強力なモーター、さらに高性能フィルターがキャッチして、外に出しません。
さらに、湿気の多い夏季には、フィルターが湿気ります。
フィルターには花粉、ホコリ、ゴミ、虫の死骸がたくさんあり、これらが湿気る事でカビが発生。
そこを通り抜けて空気が入り込むわけですから、新鮮な空気ではないですよね。
弊社検査員が、熱交換換気扇を取り付けた家の点検を行なった際に、強烈なカビ臭さを感じたそうです。もちろん住まい手は全くその匂いに気付かない。
体臭のきつい人が、自分の体臭に全く気付かないのと似ていると思います。
ただ、家の場合、家内部にある全てをカビ臭さが汚染します。
もちろん、頻繁にフィルターメンテナンスを行なえば、この様な結果は防げると思いますが、そこまでして熱交換換気扇を利用するメリットを見出せません。

イニシャルコスト、ランニングコスト、そして、室内環境でも、デメリットの方が多いと判断しています。

「ダクトレス熱交換換気扇はどうか?」
ともご質問があったのでお答えします。

ダクトレス熱交換換気扇は、壁に設置されます。
ダクトが無いので、ダクト工事費も掛かりません。
しかし、壁に配置されるので、外気温度の影響をもろに受けます。
冬、外気が冷たくなると、ダクトレス熱交換換気扇も冷やされます。
夏は太陽光でジリジリと熱せられます。
この影響を受け、冬は冷たい空気が、夏は暑い空気が入り込むと報告を受けました。
さらに、正逆両方向に回転するファンは、とても壊れやすいそうです。
初期コストも高く、フィルター目詰まりは、ダクト式と変わりません。

ダクト式であっても、ダクトレスであっても、デメリットが多いと判断しています。

もちろん弊社独自の見解です。電気料金の計算、熱交換換気扇の仕事量などは、平均値で計算しています。
必ずしも正しいとは言い切れません。
しかし、検査員の話や、トータル的な電気料金、メンテナンス費用を考えると、メリットは無いと考えています。

「熱伝導率が低いのだから、断熱性能が高いはずだけど」 ご質問を受けたので、詳しく解説します。



熱伝導率とは、断熱材などの、物質中の熱の伝わりやすさを数値化したものです。
数字が大きいほど熱が伝わりやすく、数字が小さいほど熱が伝わりにくいとされています。
身近な物の中で、熱が伝わりやすい物質として銅があります。熱伝導率は403。
熱が伝わりやすいので、鍋やヤカンなどに使われます。
逆に、身近なものの中で、最も熱が伝わりにくいのが空気で、熱伝導率は0.0241。
この空気をたくさん閉じ込めた断熱材が、熱伝導率0.022を達成したフェノールフォームと言われる断熱材です。
一般的断熱材グラスウールの熱伝導率が0.05程度なので、性能は倍以上。
もちろん、価格も高価です。

この性能を確かめるために、2014年から44坪2階建ての東面の壁を改造して、
断熱材実験を開始。熱伝導率が低い、高価で高性能断熱材と、安価な断熱材を比較した結果、
全くと言っていいほど性能に差は生じませんでした


しかし、「信じられない」と多くのプロが言います。
これまで「熱伝導率至上主義」が定着し、熱伝導率が低い断熱材こそ、
断熱性能が高いと信じられて来た経緯があるからだと思います。
そして、「熱伝導率至上主義」は厳密に言えば間違ってはいません。

熱伝導率0.05のグラスウールと
熱伝導率0.022のフェノールフォームとでは、
熱伝導率では、2倍の性能差が生じています。
しかし、この2倍の性能差は、実感できる差ではないのです。

数字のマジックともいえる2倍の性能差を、身近な例でご説明します。
例えば、身近で最も熱を伝えやすい銅の熱伝導率は403
そして、同じ金属、ステンレスの熱伝導率は16
ステンレスのほうが銅よりも25倍熱伝導率が低いワケです。
つまり、ステンレスの方が、銅よりも25倍熱が伝わりにくい!
グラスウールとフェノールフォームの2倍どころではなく、25倍の差。
ステンレスの方が、銅よりも25倍、圧倒的に、断熱性能が高い事になります。

ならば、ステンレスのヤカンと、銅のヤカン、同じ火力で同じ量の水を沸騰させると、
銅のヤカンより、断熱性が高いステンレスヤカンの方が、25倍沸き上がりが遅くなるのでしょうか??
もちろん、こんな事はありません。
トータル熱量が変わらなければ、水が沸騰する時間は変わりません。
実は、熱伝導率は、小さな小さな、ミクロスケールで生じる差です。
つまり私たちが実感するような、現実的なスケールで差が生じるようなものではないのです。

もう少し分かりやすく説明します。
熱伝導率と同じようなスケール単位で、電気抵抗率と言われるものがあります。
熱伝導率同様、電気抵抗率も、高ければ電気が伝わりにくい、低ければ電気が伝わりやすい!となっています。
ステンレスの電気抵抗率は75
銅の電気抵抗率は1.55となっています。
つまりステンレスよりも銅の方が、50倍電気が伝わりやすい事になります。
だからと言って、ステンレス線よりも銅線の方が、50倍速く電球が点くのでしょうか?
もちろんそんな事はありません。どちらの線も、通電と同時に点灯します。
つまり、熱伝導率や電気抵抗率は、私たちが日ごろ認識するスケールでは差が生じないのです。
差が生じるのは、もっと大きな大きなマクロスケール。
つまり、100キロ、200キロの送電線、そして50万ボルトなど、
とても大きな電力を流す場合には、この差が目に見えて現れてきます。

家庭で100キロ、200キロの電線や、50万ボルトの電力など無関係ですよね。
熱伝導率や、電気抵抗率は、小さな小さなミクロスケールの数値。

グラスウール0.05と
フェノールフォーム0.022とでは、確かに小さな小さな差が生じます。
しかし、一般家庭レベルで、温度差となって、この差が表れる事はないのです。

そして、なによりも重要な事は、断熱材は熱を断っているわけではない事です。
銅よりも、25倍断熱性能が高いステンレスのヤカンでも、沸騰する時間に差は生じません。
つまり、断熱性が高いからといって、熱を断っているわけではないのです。
小さな、小さなミクロスケール内で、熱の伝わりが遅れるだけであって、時間が経てば熱は伝わる!これが断熱材の特性。
「断熱材」と書かれるので、いかにも熱を遮断しているかのようなイメージがありますが、熱を遮断できる材料は見つかっていません

さらに、現在の住宅は、24時間換気の義務化により、2時間に1度、全ての空気を入れ替える必要があります。
断熱材の性能など、無関係になるほど冷暖房した空気をソックリ入れ替える必要があります。つまり、空気の入れ替え経路を、根本的に見直さなければ、家の断熱性能を高める事は出来ません

そこで生まれたのがAir断です。
Air断は、24時間換気が定める、2時間に1度ではなく、10分に1度空気を入れ替えながら、対流を使って断熱性能を高めます。
根底から吸排気の経路を見直し、4つの特許を取得しました。
2015年特許が、Air断工法に類似した工法の特許
2016年特許が、Air断基本特許
2017年特許が、Air断の吸排気経路を見直しした特許
2021年特許が、Air断寒冷地versionの特許。
4つの特許で、性能を担保。
断熱材では断熱できない熱を、空気の対流で、家の外へ押し出します。
にわかに信じがたいその性能は、極寒の北海道で実証済み。

「北海道でグラスウール断熱材はあり得ない、もっと高性能な断熱材を使わなければ!!!あなたたちは北海道の寒さを知らない」

「北海道でエアコン暖房は無理、熱量が全然足りないんです。あなた逹は北海道の寒さを甘く見すぎです」

「北海道でそんな工法は不可能。すぐに結露して、それが凍って、壁を破壊、住めなくなりますよ。本州で通じても、
北海道じゃ通じないんです。北海道は特別なんです。」


北海道モデルハウス計画では、散々釘をさされ、引き受けてくれる工務店すらありませんでした。
しかし、私たちには、確信かありました。
※対流が結露を押さえ込むはず!
そして、対流だけが、断熱している!断熱材は断熱していないんだ!と。

「責任は全て我々が負います」
と言う条件の下で、北海道では当たり前の基礎断熱工事を中止。
そして、北海道ではあり得ない、床、壁、天井全て100ミリグラスウールのモデルハウスを建設しました。

そして、エアコン暖房だけで、冬季2シーズンを暖かく乗り越えました。
マイナス18℃まで下がった日も、エアコン暖房だけで、室内24℃をキープした証拠も残っています。
北海道スタッフは、モデルハウスから5分の場所に住んでいます。
自宅は大型石油ファンヒーターが24時間動いていて、リビングこそ20℃をキープしますが、
玄関は0℃、脱衣所は6℃、和室は-6℃冷たすぎて結露した水分が凍るほど。
いたるところで底冷え、靴下スリッパ必須。

しかしモデルハウスは、エアコン暖房だけで、玄関も脱衣所も、24℃をキープ。
クローゼット内部も家中どこでも、20度以下になる事はありません。
スリッパ不要で、底冷えを感じる場所すらありません。

そして極めつきは東京モデルハウス。
断熱材を一切使用していない住宅は、近年では日本初。
床下も壁も天井も、一切断熱材を使用していません。にもかかわらず、エアコンだけで冬季を暖かく乗り切りました。

かといって、断熱材を否定しているわけではありません
様々な実験を通して、熱伝導率が低ければ断熱性能が高い!と言う表現は、厳密にいえば間違っては無いものの、
一般的住宅には当てはまらないと言うのが弊社の見解です。
そして、断熱材を選ぶなら、安価な断熱材がベストだと判断しています。
あっても無くても差が生じないのですから・・・。

弊社の見解が必ずしも正しいとは言えませんが、愛知断熱材実験棟、愛知Air断モデルハウス、
北海道Air断モデルハウス、そして東京Air断無断熱材モデルハウスから得られるデータを検証する限り、
高い確率で正しいと判断しています。

ご理解いただければ幸いです。