結露に関して
まずは、床下結露動画をご覧ください。
これは、2022年6月に撮影した、床下で発生した結露です。
床下一面の木部に発生している結露。
もちろん、コンクリート面もビタビタ・・・
一部カビが発生している部分もありました。
床下全てがこの状態です。
驚きますよね。
これが結露の実態。
この床下で発生した結露は、長期間乾燥する事なく床下にとどまります。
この状態が続くと、木部が腐食。
腐った木部が臭いを発し、様々な害虫、そしてシロアリがやってきます。
これが「結露の恐ろしさ」です。
この結露を抑えるにはどうすればいいのか?
Air断の場合、温度と湿度を計測し、結露が発生する可能性が高まった段階で、床下サーキュレーターが稼働。
空気が対流する事で、結露しにくくなります。
いつ発生するか分からない結露を、床下、室外、室内の温湿度センサー値を読み取る事で正確に分析。
発生してからではなく、発生する前にサーキュレーターを動かし、結露を抑制します。
「Air断以外の家はどうなるの?」
3階建て住宅は、床下温度が低いので6月〜8月頃発生する確率が高まります。
海、湖、川の近くはかなりの確率で発生します。
弊社の計測では9月以降に床下結露の発生リスクは下がります。
6月〜9月は、毎月1度、結露が発生していないか?床下を点検してください。
万が一発生していたら、限りなく面倒ですが、丁寧にふき取るか、床下にサーキュレーターを入れて、動かします。
1週間ほどで乾燥すると思います。
その年結露が発生していなかったとしても、次の年も、その次の年も発生しないとは言えません。
水蒸気を多く含んだ空気が、家を通り抜けた時に、床下温度がたまたま低かったら、即結露します。
面倒ですが、毎年6月〜9月は月に1回の点検が必要だと思います。
冬季は小屋裏で結露が発生します。
11月から3月くらいまで小屋裏点検口から、結露の有無を確認。
万が一結露が発生していたら、拭きとるか、サーキュレーターの導入しか方法がありません。
ただ、冬季の結露は夏季の動画のように、大量ではありません。
木材が湿る程度。木材の色が濃くなっていたら結露を疑ってください。
ちなみに冬季のAir断では、結露発生前に小屋裏換気扇が稼働し、結露を抑制しています。
この情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。
夏季の湿度対策に関して!
夏季の湿度対策に関して!
Air断愛知モデルハウス 室温25℃、ジメっとする・・・
Air断東京モデルハウス 室温25℃、カラッとする・・・
※Air断愛知モデルハウスは沿岸部だから!と考えていましたが・・・!
Air断東京モデルハウスでは、室温25℃でカラッと感じます。
しかし同じ室温でも、Air断愛知モデルハウスはジメっと感じます。
どちらも、外部の絶対湿度は1㎥あたり20g程度。ほぼ同じでありながら、Air断東京モデルハウス室内は15g。
Air断愛知モデルハウスは外部と同じ20g。
この差は、Air断の吸気経路だと判断しています。
Air断東京モデルハウスでは、エアコン上部に吸気口を設けています。
吸気口から入った全ての空気をエアコンが吸い込み、湿気を除去して室内に放出しているので、湿度が抑えられています。
対するAir断愛知モデルハウスは、天井埋め込み型のエアコンなので、エアコンの横から空気を取り入れています。
この吸気経路では、取り入れた全ての空気を、エアコンが吸い込む事は不可能。湿気をたっぷり含んだ空気が漏れ出し、室内を循環。
その後、エアコンが吸い込んで湿気を除去しますが、Air断東京モデルハウスと比べると効果は半減。
この結果が、室内湿度に現れていると思います。
以前、暑がりの工務店社長がAir断東京モデルハウスを見学した時に、「色んなモデルハウスを見学してきたけど、
室温26℃で、涼しいと感じた事は一度も無かった!それが、同じ室温で、なんで、こんなにも涼しいんだ?何なんだこの家は?対流か?やはり対流なのか?」
と驚いていた事があります。
たった5gの差!と思うでしょうが、1㎥に15gの湿度は、4月〜5月の湿度です。
そして、湿度が少なければ、汗が乾きやすく、カラッと感じます。
対して、室内20gの湿度は、7月8月の湿度。
汗が乾きにくくなり、ジメっと感じるようになります。
こちらは、Air断愛知モデルハウスで、毎年カビが発生していた革靴と革のカバンですが、Air断東京モデルハウスに持ち込んで1年。カビは全く発生しませんでした。
Air断愛知モデルハウスと、Air断東京モデルハウス、外部の絶対湿度は同程度でありながら、室内湿度は5g近く低い。
この違いは、エアコンを直接通り抜ける吸気設計と、そうではない吸気設計によるものだと判断しています。
今後も検証を進めご報告させていただきます。
「Air断のファンは、どのくらい音がするのですか?」
「Air断のファンは、どのくらい音がするのですか?」
ご質問がありましたのでお答えします。
こちらは、愛知実験棟室内です。
築17年の木造住宅を、Air断に改造してあり、33畳のリビングには9台のファンが取り付けられています。
実験棟なので、通常よりも多いファンを取り付けてあります。
まず最初に、全てのファンが止まった状態の騒音計値を御覧ください。
32デシベル〜33デシベル程度。
この状態から全てのファンを稼働させます・・・
ファン稼働時の開閉音により、騒音計値が少し上がりますが、その後は35デシベル〜36デシベルをキープします。
3〜4デシベルほど増加しているのがおわかり頂けると思います。
一般的に、
40デシベルは
・図書館
・昼間の閑静な住宅街
・深夜の市街地
30デシベルは
・深夜の郊外
・鉛筆での執筆音
とされています。
Air断ファンの音は、気にならない程度だと思いますが、音に敏感な人は参考にして下さい。
ここからエアコンを稼働、騒音計が47デシベルに上昇しました。
エアコンの音は、各ご家庭のエアコンによって変わると思いますが、エアコンの音よりも小さいとご理解いただければ幸いです。
「超断熱材HR1型、HR2型の性能を詳しく説明してくれ・・・」
「超断熱材HR1型、HR2型の性能を詳しく説明してくれ・・・」
と、ご指摘を受けました。
まずこちらの、冷却実験動画をご覧ください。
同じ大きさの段ボール箱、200o×200o×100oに、
グラスウール10kと、超断熱材HR1型、ロックウールを入れ、中心に温度センサーを配置して、外部5面を保冷剤で冷却。冷却材は1時間毎に、新しい冷却材と交換。
各断熱材中心の温度センサーが変化する時間を撮影した動画です。
一番左の温度計が室内温度。
左から2番目が、グラスウール10k断熱材中心温度
左から3番目が、超断熱材HR1型中心温度
そして、一番右がロックウール断熱材中心温度です。
真っ先に氷点下に達したのは、一番右のロックウール断熱材でした。
時間は32分。
次に氷点下に達したのが一番左の、グラスウール10k断熱材。
時間は1時間9分後でした。
グラスウール10kよりも、ロックウールの方が性能は上ですが、冷却実験での氷点下に達する速度は、グラスウールの方が遅くなりました。
最後に氷点下に達したのが、真ん中の超断熱材HR1型。
時間は4時間28分後でした。
これを「断熱性能」と呼んで良いのかは分かりませんが、同じ条件で冷却しながら、
グラスウール10kの4倍、ロックウールの8倍遅く熱が伝わる事は、寒さが伝わりにくい!つまり、「断熱性能が高い」と判断出来ると思います。
5時間経過時点で、冷却材を撤去。今度は、室内23℃による加熱実験となります。
グングン温度が上昇するのは、左側グラスウール10k。
冷却材撤去後43分で20℃に達しました。
次にロックウールが冷却材撤去後1時間10分で20℃に到達。
加熱実験では想定通りでした。
しかしこの時、超断熱材HR1型は7℃しか上昇していません。
超断熱材HR1型が20℃に達したのは、4時間4分後でした。
次の実験は、左側がフェノールフォーム、真ん中がスタイロフォーム、そして右側が超断熱材HR2型となっています。
まず最初に氷点下に達したのがスタイロフォーム。
時間は42分。
次に氷点下に達したのが、フェノールフォーム。
時間は1時間1分でした。
グラスウール10kと変わらぬ速度に少々驚きました。
この時、超断熱材HR2型は、20.4℃をキープ。
このまま5時間冷却を続けましたが、超断熱材HR2型は、10℃までしか下がりませんでした。
次は、保冷剤を撤去しての加熱実験。
真っ先に20℃に達したのが、スタイロフォーム。
時間は1時間後でした。
次に20℃に達したのが、フェノールフォーム。
時間は1時間45分後でした。
そして超断熱材HR2型が20℃に達したのは、なんと、
13時間後でした。
まとめます。冷却実験では、
ロックウール 32分で0℃
グラスウール10k 1時間9分で0℃
超断熱材HR1型 4時間28分で0℃
スタイロフォーム 42分で0℃
フェノールフォーム 1時間1分で℃
超断熱材HR2型 5時間経過しても10℃をキープ
加熱実験では、
ロックウール 1時間10分で20℃
グラスウール10k 43分で20℃
超断熱材HR1型 4時間4分で20℃
スタイロフォーム 1時間で20℃
フェノールフォーム 1時間45分で20℃
超断熱材HR2型 13時間で20℃
超断熱材HR1型、HR2型が、群を抜いた性能である事がお分かりいただけると思います。
ただし、熱の伝わり方が、極端に遅い超断熱材HR1型とHR2型。
それ故に、結露発生リスクが増加します。
周辺が暖かくなっても、超断熱材HR1型、HR2型は温度が低い。
そこに水蒸気が接触して結露・・・。
だから、Air断システムが必須となります。
すでに超断熱材HR2型は、2022年3月、東京Air断モデルハウスの天井に施工し、昨年との温度比較を行ないました。
こちらが2021年3月20日の、外気温度と、小屋裏温度、そして、1階リビング2階寝室温度です。
そしてこちらが、超断熱材HR2型施工後、2022年3月21日の外気温度と、小屋裏温度、そして1階リビング2階寝室温度です。
暖房は1階リビングのエアコン暖房だけですが、超断熱材HR2型施工後は、1階2階の温度差がほとんど解消できています。
さらに、小屋裏温度は、ほぼ横一線。
超断熱材HR2型の影響だと考えています。
現在経過観察していますが、結露発生もありません。
現在建設中の大阪モデルハウスでは、天井と床下に超断熱材HR2型、壁を超断熱材HR1型にして建設中。
さらに、九州モデルハウスでは、天井、床下、壁全てに超断熱材HR2型を施工して建設する計画です。
計算では、超断熱材HR1型の大阪モデルハウスが、冷暖房費3割削減。
超断熱材HR2型の九州モデルハウスは、冷暖房費5割削減と言う計算結果も出ています。
気になる費用ですが、断熱材費用としては、安価な断熱材費用と変わりません。
ただ、安価な断熱材よりも、精度の高い施工が求められるので、施工日数が伸びます。
施工日数が伸びる分、コストが増加しますが、これまでの実験、実測値から判断すると、十分解消できる効果を得られると想定しています。
大阪モデル、九州モデル共に、年内完成予定。
完成後詳しいデータをご報告いたしますので、ご興味のある方は、Air断マガジンの進捗をご覧いただければと思います。
これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。
『超断熱材HR2型』に関して!
驚きの断熱性能に驚愕・・・
そして吉田が新たな提案・・・
Air断東京モデルの小屋裏に施工した『超断熱材HR2型』ですが、昨年と比較すると、驚くべき効果が出ています。
こちらが2021年4月4日の、外気温度と、小屋裏温度です。
そしてこちらが、2021年4月4日の外気温度と類似した2022年4月5日の、外気温度と小屋裏温度です。
『超断熱材HR2型』を施工した後の方が温度推移が少ないことが、一目瞭然ですよね。
さらにこちらは、2021年4月4日の1階リビングと2階の温度。
そしてこちらが、『超断熱材HR2型』を施工した後の2022年4月5日の1階リビングと2階の温度。
どちらも、1階リビングのエアコン暖房だけですが、『超断熱材HR2型』を施工した2022年4月5日のほうが、温度が一定で、1階と2階の温度差がほとんどありませんよね。これ、実は、驚異的なんです。
暖房してる1階と、暖房していない2階の温度差をなくすことは、建築家の悲願でした。
これを、断熱材で解決するには、天井に1メートル以上の厚みの断熱材を敷き詰める必要があり、実現は不可能。
それを、5センチ厚で、いとも簡単に成し遂げた、『超断熱材HR2型』。
この結果を見て、吉田が言い出しました。
吉田
「『超断熱材HR2型』を、床下、壁、天井全てに採用したAir断モデルを作ってはどうだろう?!」
これに経理が猛反発。
経理
「本社、愛知モデル、北海道、東京、そして大阪Air断モデルハウスも、全額借入、大阪モデルなんて完成してもないし、返済すら始まっていないのに、絶対に無理・・・ッていうか、大阪モデルを変更すればいいじゃない、なんで新しく建てる必要があるの?」
吉田
「大阪は、あのまま、1型で作りたいんだ、次のモデルをオール2型で・・・」
経理
「オール2型って、オール借り入れですよ、多すぎるんですッ。」
吉田
「Air断大阪モデルハウスの追加って事で借入できないだろうか?」
経理
「出来るわけないでしょ、返済延期してもらっているのに、追加で、貸してくれる銀行なんてあるわけないでしょ」
吉田
「頼みもしないのに、そんな事言っていいのか?」
経理
「どーぞ、どーぞ、銀行に聞いてください・・・」
銀行
「うーん、無理っすね、貸せないっす。」
吉田
「・・・そこを何とか?」
銀行
「無理無理無理無理・・・絶対無理っすよ!!でも、今キャンペーン中なんです。」
経理、吉田
「キャンペーン???」
銀行
「今月中に申し込んでくれれば何とかなりますよッ」
経理
「無理無理無理無理、絶対無理、借りても、返せないから・・・」
吉田
「よろしくお願いします」
経理
「ちょ、ちょ、吉田さん、何言ってるの?返済、返済が無理なの・・・・・、し、し、支店長〜〜よ、よ、よしだ〜〜〜こらぁぁ〜〜〜」
こうして、『超断熱材HR2型』を使ったモデルハウス建設プロジェクトが始まりました。
候補地は九州、福岡県。出来上がれば、世界初となる超断熱材を使用した家になり、冷暖房費の大幅削減が期待できます。
進捗は、Air断マガジンでお伝えする予定です。
この情報は、これから家を建てる人のお役に立たないかもしれませんが、ご興味のある方は、次回の進捗をお待ちください。
新発見“超断熱材”HR2型に関して!
東京モデルハウス小屋裏を改良、その結果。
東京モデルハウスの小屋裏を、新発見の“超断熱材”HR2型で改良したその後をお伝えします。
3月中旬3日間かけて、小屋裏を改良しました。
もちろん、小屋裏温度は外気が下がっても、ほとんど変化しなくなりました。
しかし、それが室内温度に影響を与えるのか?がポイント。
こちらをご覧ください。
こちらが、昨年のAir断東京モデルの温度推移。
1階リビングのエアコン暖房だけが動いているので、リビング温度は22℃〜24℃でほぼ一定。
こちらが、小屋裏温度推移。
ほぼ外気温度と同じ推移。
そしてこちらが、2階温度。
外気の影響を受けて、20℃を下回る時間帯が存在しています。
1階エアコンの場合、どうしても熱源から遠い2階は温度が下がります。
これは、どの物件でも同じで、回避する事は不可能!
たびたび登場する2020年に完成した、基礎断熱100o、壁は250o、セルロースファイバー、高性能グラスウール複合断熱、天井には300oセルロースファイバーを敷き詰めた、当時“断熱モンスター”と呼ばれた物件でも、同様です。断熱モンスター物件は、Air断ではありません。Air断を使わず、現在最も優れていると言われる断熱材を限界の厚さまで使用し、サッシも、最も高価な樹脂サッシトリプルガラスを採用した物件です。
こちらがそのデータです。
小屋裏温度がこちら、太陽光の影響を受ける日中はガツンと温度が上昇。
床下エアコンを採用しているので、床下は25℃前後あります。
しかし床下暖房だけでは、リビングの温度は上がらないので、7時からリビング暖房も併用。
2階は暖房を使用していないので、20℃を下回る温度となっています。
これが、超高気密、超高断熱、断熱モンスターの室内温度です。
対して、Air断東京モデルハウス『改』は、これまでにない温度推移を見せてくれました。
こちらが昨年データと酷似した外気温度の日のデータです。
こちらが外気温度。
そしてこちらが小屋裏温度。
そしてこちらが1階リビング温度。
そしてこちらが、2階温度。
これは、愛知Air断モデルハウスでも不可能だった室内環境なんです。
愛知Air断モデルハウスは、弊社が所有するAir断モデルハウスの中で、最も断熱材の厚みが多いモデルハウス。
それでも、2階温度は、1階リビング温度よりも2℃ほど下がってしまいます。
断熱モンスター物件では、4℃近く差が生じてしまいます。
ところが、Air断東京モデルハウス”改”は、リビングエアコン暖房だけで、2階も同じような温度・・・
設計吉田も、販売店担当者も驚愕・・・。
「大した事ないじゃん」
と思うかもしれませんが、1階リビングエアコンだけで、2階まで同じ温度で暖める事は、現在の断熱材、そしてAir断でも不可能なんです。
吹き抜けのある30坪前後の家であれば、温度差は小さくなりますが、それでも暖房してない2階は1〜2℃下がります。
それが、小屋裏に超断熱材2型を入れ込むだけで、1階リビングエアコン暖房だけで、1階2階の温度がほぼ同じ・・・
驚異的・・・・
超断熱材HR2型は、熱を伝える速度が圧倒的に遅い事が、この様な結果を生み出したと想定しています。
超断熱材HR2型に関しては、次回詳しく説明させていただきます。