その他

過乾燥に関して

「エアコン暖房は過乾燥になる」

とご意見を受けましたが、Air断住宅では、「過乾燥」になりにくい事をご説明します。

冬のAir断住宅の相対湿度は20%台を推移します。
これは、エアコンを主とした暖房時に、「相対湿度計」が示す「相対湿度」です。
「乾燥してる」と思いますが、実際のAir断住宅では「乾燥」を感じる事はあまりありません。

この現象は、「相対湿度」と「絶対湿度」の違いによるものです。
一般的な高気密高断熱住宅で、「エアコン」を主とした暖房を行うと、同じ空気が何度も温められ、「相対湿度」と同時に「絶対湿度」も減少します。
(空気中の水分が、室内の衣類や家具、木部、壁、等に吸い取られて過乾燥状態になるそうです。気密性が高いホテルなどの24Hエアコン暖房では、超過乾燥状態となり、加湿器がないと喉を痛める事になるそうです。)
「相対湿度」とは、温度と関係のある湿度!と言う意味で、温度の上下により湿度が変化します。
つまり、絶対的な空気中の湿度の量ではありません。
これに対して「絶対湿度」とは、空気中に含まれる水分量です。
gmで表示され、温度の上下で絶対湿度は変化しません。

Air断住宅では、真冬でも1時間に1,000㎥の空気を室内に取り入れています。
常に新鮮な外部の空気を取り入れているので、「過乾燥」状態にはなりにくいのが現状です。
20%台の「相対湿度計」表示を見て、驚くかもしれませんが、実際の「絶対湿度」は外部の湿度と変わらぬ湿度を保っていることをご理解下さい。

負圧効果

「無菌室のような効果が得られます」は本当か?

ご質問がありましたのでお答えします。

無菌室の考え方は、患者から発生する菌をいち早く外に排出する事!だそうです。
部屋の空気を吸い出すことで、発生する菌が着床したり人に付着する可能性を小さくする事を目的としています。

人が大勢集まる映画館なども、負圧設計が基本になっています。

Air断は、各部屋のファンが一斉に動くことで、家内部を負圧にし、カビ菌などが付着しにくい構造になっています。
こちらの画像は、無添加の食パンをAir断住宅と、一般住宅に放置した時のカビの発生具合です。
住宅検査 ホームリサーチ
一般住宅の無添加食パン カビが大量

住宅検査 ホームリサーチ
Air断住宅の無添加食パン 一部カビ 


どちらも購入から1週間経過した状態です。

もちろん、カビの発生が少ない方がAir断住宅です。
これだけで「無菌室と同じような効果」とは言えませんが、効果はあると判断しています。

「6℃の温度差って本当?」

「6℃の温度差って本当?」

ご質問を受けたので、詳しく説明します。
測定場所は下図の部分。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


測定日時は2019年8月10日11時のデータを参照。
Air断住宅31.7℃
一般住宅37.9℃
その差6.2℃を記録しています。
その時のグラフがこちらです。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


青色が一般住宅
肌色がAir断住宅の壁内温度センサー値です。
通気層の対流が、外部から入り込む熱を遮断していると考えています。

床下に入れた炭に白カビ

「床下に入れる”炭”が床下の湿気を吸う」

と言われて、床下一面に炭を入れた住宅でトラブル発生。

炭は、湿気をほとんど吸わないと言われています。
また、夏の床下は、最も温度が低い場所です。
夏の温かい湿った空気が、床下のコンクリート面に接触して結露する危険な場所です。
その床下に、”炭”を入れると、逆に空気の流れが悪くなり、大量の結露が発生します。
この結露により、
1.床下に入れた炭全体に、白カビが発生し異臭を放つ。
2.結露によりプールのような状態となり、コバエが大量発生。
このようなトラブルが報告されています。
床下には出来る限り何も置かず、空気が通りやすい環境にすることが重要です。

グラスウールは結露するのでは?

「グラスウールは結露するのでは?」

こんなご意見をいただきました。
ネットにはグラスウールが結露した写真が沢山出てきます。
しかしグラスウールが結露してるわけではありません。
他の断熱材に変えても、同じ環境であれば結露します。
つまり、「結露する環境であれば、どんな断熱材でも結露する」が正しいと考えています。

こちらは、2018年5月〜10月までの実験棟断熱材内部湿度データです。
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールは結露するのでは?


住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールは結露するのでは?


1.グラスウール
2.ロックウール
3.発泡ウレタン
4.木材(ログハウス系)
5.スタイロフォーム
6.フェノールフォーム
7.セルロースファイバー

上記7種類の断熱材内部の5ヶ月間湿度データです。

どの断熱材も大差ありませんよね。
厳密に言うと、ロックウールとスタイロフォームの湿度が若干高い事がありました。
グラスウールはセルロースファイバーと変わらない湿度を維持。

これらのデータから、内部結露を起こすのは、グラスウールが原因ではないと言うことが分かってきてます。
「グラスウールは結露する」と言う表現は間違えていると判断しています。

計算から導く高性能断熱材と安価断熱材の差

「なんの為の熱伝導率だと思ってるんだ!熱伝導率が低いほうが性能が高いに決まってるだろ!」
お叱りを受けたので、

U値(熱貫流率)と熱伝導率から
※※安価な断熱材と高価な断熱材の比較※※
を計算で説明します。
(必ずしも計算が正しいとは限りませんが、一級建築士の監修を受けて掲載しています。間違いがありましたらお知らせ下さい)

安価低性能断熱材 グラスウール100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(壁厚)÷0.04(熱伝導率))=0.4
U値0.4×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1856w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1856wの熱量が奪われる事になります。

高価高性能断熱材 フェノールフォーム100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(断熱厚)÷0.025(熱伝導率))=0.25
U値0.25×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1160w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1160wの熱量が奪われる事になります。

差は1856w-1160w=696w(1時間)
つまり、高価高性能断熱材のほうが、1時間に696wの熱量を節約出来る事になります。
この熱量をわかりやすく表現すると、
家全体で100ワット電球7個分の熱量です。
【6畳の部屋の場合50ワット電球程度の熱量。】
この小さな熱量でも、積もればエコにつながると思いますよね。
しかし、この小さな熱量は積もらないんです。

家の場合、
1.ドアの開け閉めによる損失
2.窓からの損失
3.24時間換気での損失
により、6畳で50ワット程度の熱量はかき消されてしまいます。
そしてなにより、この50ワット程度の熱量とは、「人が発する熱量75ワットよりも少ない。」と言う事実。
つまり、6畳の部屋に人が1人いるかいないかの差、ごくごく小さな温度です。

温度計でも測定出来ないレベルの温度差。
これが計算から割り出した、高性能断熱材と安価な断熱材の「差」
つまり、性能が高い断熱材を使用しても、体感出来るような温度差は生じない!と言う事です。


(冷蔵庫や飲料水自動販売機の場合は、完全に密閉された状態なので、損失が極めてゼロに近い。つまり、小さな温度でも積もり積もってエコに繋がります)