その他

レンガ、石サイディングのリスク

「レンガや石を貼り付けたサイディングで、カビによる腐食が発せしやすい」

と言った報告が以前からありました。
結露による”カビや腐食”だと推測していました。

仮説メカニズムは以下です。

1.レンガや石は”比熱”が低く、サイディングよりも暖まりやすく冷めやすい特性があります。
2.日が沈むと、レンガや石は、温度を急速に失います。
  「結露は冷たい側で発生する」
3.この原則から、冷えたレンガや石で結露が発生。
4.表面は風などで乾燥しますが、通気層側は通気が悪く乾燥しにくい。
5.よって、いつまでも結露水が停滞する。
6.また隣接する構造用合板も温度が低下し、結露が発生する。
7.構造用合板は”木材”なので、発生した結露水で腐食し始める。
 (2×4物件や、枠組み軸工法を採用した物件で、この様なトラブル報告が多発していました。)


今回仮説を裏付けるデータが記録されたのでご紹介します。
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レンガ、石サイディングのリスク


こちらはAir断住宅で初めてレンガサイディングを採用した物件です。

2019年10月12日引き渡し
青のマークは、壁内の水分を検知した事を示しています。
引き渡し後ほぼ連日、壁内で結露が発生している事を示していました。
こちらが記録された結露センサーの水分値です。
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レンガ、石サイディングのリスク


色別に設置された箇所のセンサーが反応しています。
「雨漏りでは?」
との意見もあるでしょうが、この日雨は一滴も降っていません。
確実に結露だと断定出来ます。

タイルや石貼り付けたサイディングは、とてもカッコいいですが、結露リスクがある事を理解しておくべきです。
(カビや藻が発生し、それを食べる虫が発生し、その虫を食べるコウモリなどが住み着いた例もあります)

もちろん、Air断住宅であれば、結露リスクが高まると、自動で通気層に空気を送り込み乾燥させるので安心です。

「台風15号」の被害で、外壁全面張替えの保険適応!

「台風15号」の被害で、外壁全面張替えの保険適応!


2019年9月8日の台風15号で、Air断の家が被害を受けました。
隣家の屋根が飛んできて、2019年7月に完成したAir断住宅の屋根を直撃。
下のグラフは、屋根の直撃を受けた後の、壁内の雨漏りを記録しています。
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「台風15号」の被害で、外壁全面張替えの保険適応!


その後停電によりデータの記録は出来ていません。
電気が復旧したのは1か月後の10月8日。
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「台風15号」の被害で、外壁全面張替えの保険適応!


破損したのは屋根の一部と窓ガラスでした。
現場を視察した保険会社の検査員は、
「破損した屋根と窓ガラスだけが保険の対象」
と判断したそうです。

しかし、Air断の雨漏り結露センサーは、内部の雨漏りを細かく記録していました。
電気が復旧した後の10月12日の雨で、
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「台風15号」の被害で、外壁全面張替えの保険適応!


損傷を受けた南面だけではなく、東面からの雨漏りも記録。
雨が降る度に、通気層で雨漏りが起きている事をデータが示していました。
これら資料を保険会社に提出。

12月24日正式に保険会社から
「4面全ての外壁取り換えを保険で対応します」
と正式に回答があったそうです。
足場を設置しての全面やり替えなので、工事は来年になりますが、施工担当者もお客様も大喜びでした。


外から見る限り壁が壊れているとは思えないほどきれいな外壁ですが、屋根の直撃は、目に見えない部分に致命的な損傷を与えていて、それを的確に記録していた事が「壁の全面張替え保険対応」に繋がりました。

通気層結露リスク

「室内の空気を通気層に出したら、室内の湿気が通気層に排出される事になる。余計に結露が発生する」

と言うご意見をいただきましたが、Air断住宅に取り付けた結露センサーが、結露を計測した事はありません。
またファイバースコープで通気層を確認しましたが、濡れた痕跡も確認出来ませんでした。

”結露”は空気の対流が発生している場所では”発生しにくい”事が知られています。
通気層に大量の室内空気を送り込む”Air断”住宅では、通気層に結露が発生するリスクが極めて少ないと判断しています。



「室内の湿気が通気層に送られたら結露が増加する」

と考えがちですが、現実では「結露が発生しにくい環境」になっていると判断しています。

ロックウールの冬の性能

「冬最も性能が高い断熱材はロックウールのはず」
と、北海道の工務店から指摘を受けました。
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ロックウールの冬の性能


そこで、2Fベランダ木箱実験に、ロックウールを追加して計測を開始。

1.グラスウール400mm
2.フェノールフォーム400mm
3.セルロースファイバー400mm
4.スタイロフォーム400mm
5.発泡ウレタン400mm
に加えて
6.ロックウール400mm
を本日から計測中。


性能順に
1位.グラスウール
2位.フェノールフォーム
3位.発泡ウレタン
4位.ロックウール
5位.セルロースファイバー
6位.スタイロフォーム
となってます。

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ロックウールの冬の性能


1位2位は頭一つリード
3位〜5位はほぼ拮抗
6位は頭一つ低下

こんな感じです。
今後も計測を続けて報告しますが、ロックウールが「寒さに対して性能が高い」とは判断できません。

過乾燥に関して

「エアコン暖房は過乾燥になる」

とご意見を受けましたが、Air断住宅では、「過乾燥」になりにくい事をご説明します。

冬のAir断住宅の相対湿度は20%台を推移します。
これは、エアコンを主とした暖房時に、「相対湿度計」が示す「相対湿度」です。
「乾燥してる」と思いますが、実際のAir断住宅では「乾燥」を感じる事はあまりありません。

この現象は、「相対湿度」と「絶対湿度」の違いによるものです。
一般的な高気密高断熱住宅で、「エアコン」を主とした暖房を行うと、同じ空気が何度も温められ、「相対湿度」と同時に「絶対湿度」も減少します。
(空気中の水分が、室内の衣類や家具、木部、壁、等に吸い取られて過乾燥状態になるそうです。気密性が高いホテルなどの24Hエアコン暖房では、超過乾燥状態となり、加湿器がないと喉を痛める事になるそうです。)
「相対湿度」とは、温度と関係のある湿度!と言う意味で、温度の上下により湿度が変化します。
つまり、絶対的な空気中の湿度の量ではありません。
これに対して「絶対湿度」とは、空気中に含まれる水分量です。
gmで表示され、温度の上下で絶対湿度は変化しません。

Air断住宅では、真冬でも1時間に1,000㎥の空気を室内に取り入れています。
常に新鮮な外部の空気を取り入れているので、「過乾燥」状態にはなりにくいのが現状です。
20%台の「相対湿度計」表示を見て、驚くかもしれませんが、実際の「絶対湿度」は外部の湿度と変わらぬ湿度を保っていることをご理解下さい。

負圧効果

「無菌室のような効果が得られます」は本当か?

ご質問がありましたのでお答えします。

無菌室の考え方は、患者から発生する菌をいち早く外に排出する事!だそうです。
部屋の空気を吸い出すことで、発生する菌が着床したり人に付着する可能性を小さくする事を目的としています。

人が大勢集まる映画館なども、負圧設計が基本になっています。

Air断は、各部屋のファンが一斉に動くことで、家内部を負圧にし、カビ菌などが付着しにくい構造になっています。
こちらの画像は、無添加の食パンをAir断住宅と、一般住宅に放置した時のカビの発生具合です。
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一般住宅の無添加食パン カビが大量

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Air断住宅の無添加食パン 一部カビ 


どちらも購入から1週間経過した状態です。

もちろん、カビの発生が少ない方がAir断住宅です。
これだけで「無菌室と同じような効果」とは言えませんが、効果はあると判断しています。