その他

風圧損失

「本当に通気層に空気が送られてるのか?」

「パイプファンの吐き出し口が壁になるので、風圧損失が生じるはず。
損失はどれだけ考えているのか?」

と問い合わせがありました。


Air断の場合、パイプファンの吐き出し方向には、垂直の壁が立ちはだかります。
図のような流れなので、送り出す風量に損失が生じるはず!とのご質問でした。
住宅検査 ホームリサーチ
風圧損失


住宅検査 ホームリサーチ
風圧損失



そこで以下のような実験を行いました。


約20秒で4m四方全域にスモークが広がりました。
また、風速計による測定では、

通常時平均1.45㎥
通気層平均1.31㎥

風圧失10%程度と想定しています。

セルロースファイバー工務店からの問い合わせ

「私はセルロースの湿度を実験で計ってた。セルロースで覆った内部に温湿度計を入れて、湿度を計測した時には、確かにセルロース内部の湿度は、外側よりも低かった。これは、セルロースが湿気を吸収しているからでしょ」

長年工務店を営んだ工務店社長から、この様なご意見をいただきました。

このご意見に対して

「セルロースで覆った内部の空気は、外側空気の影響を受けにくいですよね。他の場所の湿度が、セルロースで覆われた内部に入り込みにくいだけだと思いますよ。本当にセルロースが湿気を吸収しているのなら、重さを計るしか方法は無いと思いますが」

「・・・・、じゃぁ、セルロースは湿気を吸ってないって事?」

「撥水加工をしてる現在のセルロースファイバーは、水に浮くのをご存知ですか?」

「知ってるよ、24時間経っても水に浮いてるから・・・」

「撥水加工により水をほとんど吸収しないのがセルロースファイバーですよね。」

「知ってるとも!!!」

「水って水蒸気と同じですよね」

「エッ・・・・・・・」

「気体か液体の差はあるものの、同じ物質です。水を吸わないのは、水蒸気も吸わない事と同じ事になると思うのですが!」


「エェェェッ・・・でもその、水は吸わないけど、水蒸気は吸うんだよ・・・」


「それなら、重さが変わりますよね。私どもの実験では、ほとんど重さが変化していません。」

「・・・・重さが変わらないくらいの少しの量の水蒸気を吸ってるんだよ!!!」

「そんな些細な量の水蒸気を吸ったとして、調湿してると言えるのでしょうか」

「・・・・・・調湿ではなく、吸ってると言ってるだけで・・・」

「そうですかぁ、私たちは吸ってないと思ってますが!」

こんなやり取りがありました。
工務店社長が測定したのはセルロースファイバーで覆った内部の空気でした。
当然内部と外部の湿度には差が生じます。
外部は室内の湿度の影響を受けます。
セルロースファイバーで覆った内部の空気は、室内湿度の影響を受けにくいので、湿度が下がります。
この差を「セルロースファイバーが湿気を吸収している」と勘違いしたのだと思います。
長年「セルロースファイバーが湿気を吸収している」と言い続けていたので、今さら”セルロースファイバーは湿気を吸わない”とは思いたくなかったのだと思います。

追伸:
弊社の実験に使用したセルロースファイバーは、現在主流となっている撥水加工したセルロースファイバーです。
以前の、”撥水加工無し”のセルロースファイバーではありません。

「撥水加工してないセルロースファイバーなら湿気を吸うんじゃないの?」
はい、確実に湿気を吸い込みます。
ただし、湿気を吸い込むことで、カビが発生し、キノコが発生した物件もありました。
壁内部は青カビがビッシリ!建て替えたと聞いています。
セルロースファイバーが出始めの頃、この様なトラブルが多発した事で、「撥水加工」に至ったのだと判断しています。

「グラスウールは性能が悪い」と言われる理由

断熱材の裏話

「グラスウールは性能が悪い!」と言われる理由

グラスウールが性能が悪いわけではありません。
実験データでは、最も性能が高い断熱材となっています。
しかし、なぜ「グラスウールは性能が悪い」と言う工務店が多いのか?

これは、第一に、グラスウール断熱材の使用例が圧倒的に多い事がに上げられます。
安価な断熱材として、広く普及したグラスウールですが、断熱性能が悪いのではなく、断熱材施工精度が悪い事が、断熱性能が悪い原因だと考えています。

断熱性能を高めるには、断熱材よりも施工精度を高める方が「重要」と言う事が分かっています。
どんなに高性能な断熱材を使用しても、隙間風が入り込むようでは断熱性能は高まりません。
そして隙間風は、目に見えないような場所から入り込みます。

一見すると奇麗に出来上がっている住宅でも、
※見切り材、巾木などの奥の方
※フローリングと壁の境目
※壁と天井の境目
※内装材とサッシの境目
※サッシからの流入
※吸気口、排気口からの流入
※給排水設備管の周辺
※釘、ビスの打ち損じ部分
※構造金物隙間からの流入
など、様々な部分から隙間風は入り込みます。
これらの理由を「グラスウールだから」としてきた感があると思います。
「グラスウールは性能が悪い」
のではなく、「家の施工精度が低い」事が原因だと考えています。

グラスウールは結露すると言われる理由

「グラスウールは結露する」と言われる理由。

使用されるケースが圧倒的に多かったグラスウールは、寒さの厳しい東北、北海道でも使用されています。
そして、東北北海道では、燃焼系暖房機器を多用してきました。
1か月200リットルの灯油を使用する事もある、東北北海道エリアでは、同量の水蒸気が室内で発生している事になります。
灯油は炭素と水素の化合物で、燃焼する事で、炭素(C)と水素(H)が分解、ばらばらになります。
炭素(C)は、空気中の酸素(O)と結びついて二酸化炭素(CO2)となり、
水素(H)は、空気中の酸素(O)と結びついて水(H2O)となります。
この水は水蒸気として家内部にとどまり、壁や、壁内部で結露となって水蒸気から水に変化します。
つまり、”グラスウール”が原因で結露しているわけではありません。
燃焼系暖房機器から発せられる”大量の水蒸気”が原因で結露しているにすぎません。
しかし、壁内結露被害が発生した家の大半で「グラスウール」が使用されていた事から、「グラスウールは結露する」に繋がったのだと思います。

そして、断熱材がこれらの水蒸気を吸収する事も無いと判断しています。
セルロース断熱材は湿気を吸収する!と言われますが、弊社の実験では吸収していないと判断しています。
詳しくは「セルロース調湿比較」をご覧ください。
仮に吸収したとしても、その量はわずかで、室内湿度を変化させるには程遠いと判断しています。

24時間換気に関して

24時間換気に関して

「10年後ホームリサーチが倒産したら、どうやってAir断を直せば良いのでしょうか?Air断が、24時間換気として機能しなくなったら、シックハウス症候群になる可能性も出てきますよね」

ご質問がありましたのでお答えします。

まずシックハウスに関しては、10年が目途になります。
家に使用される建材から発生する”ホルムアルデヒド”などの揮発物質は、2〜5年でゼロになると言われています。
10年換気すれば、家で使用された建材が原因で”シックハウス症候群”になる事は無いと考えられています。
ただし、住まい手が新たに持ち込んだ家具、その他の商品に、”ホルムアルデヒド”等の有害物質を含む商品が含まれている事があります。
これらを考えて、24時間換気を動かす事を推奨しています。
仮に10年後、Air断が故障して動かなくなったとしても、(通常換気ファンの寿命が10年前後です)作り手側に、シックハウスに関する責任は無いと判断されます。




ホームリサーチが倒産した場合、Air断の取り換えは出来なくなるかもしれません。
しかし、販売店や取り扱い加盟店が多数あり、資本注入や買収などで、倒産を回避する可能性が極めて高いと判断しています。
また、Air断は、稼働部品が少ないパーツの集合体です。非常に壊れにくいと判断しています。
(在庫も多数そろえてあるので、販売店や取扱店が修理や取り換えに対応してくれると判断しています)
故意、落雷、自然災害などによる故障以外は、5年間の保証を行っています。
別途保証料をお支払いいただければ、落雷、自然災害時にも保証対象となる10年保証をお付けする事も可能です。

カビに関して

シューズクローゼット内のカビに関して。

Air断住宅で、「シューズクローゼット内の革の靴がカビた」と報告がありました。
クローゼット内の、コートなどでもカビの報告がありましたが、これは使用者側の問題だと判断しています。
靴の場合、良く乾かしてからシューズクローゼットに入れないと、カビの原因になります。
また、コートなども、長期間クローゼットにかけておく場合、一度クリーニングに出してからクローゼットにかけた方が良いと思います。

Air断の「食パン」実験でもわかるように、カビの発生が遅れるだけであって、カビが発生しないわけではありません。
特に、湿度が高い沿岸部などでは、いくらAir断住宅であっても、使用者環境によりカビが発生します。
脱衣所で部屋干しする場合など、脱衣所にある衣類ケース、タンスなどの裏側でカビが発生したケースがあります。
(高価な桐のタンスなどの方がカビやすいと言われます)

Air断だからカビない!わけではない事をご理解ください。