その他

「グラスウールは性能が悪い」と言われる理由

断熱材の裏話

「グラスウールは性能が悪い!」と言われる理由

グラスウールが性能が悪いわけではありません。
実験データでは、最も性能が高い断熱材となっています。
しかし、なぜ「グラスウールは性能が悪い」と言う工務店が多いのか?

これは、第一に、グラスウール断熱材の使用例が圧倒的に多い事がに上げられます。
安価な断熱材として、広く普及したグラスウールですが、断熱性能が悪いのではなく、断熱材施工精度が悪い事が、断熱性能が悪い原因だと考えています。

断熱性能を高めるには、断熱材よりも施工精度を高める方が「重要」と言う事が分かっています。
どんなに高性能な断熱材を使用しても、隙間風が入り込むようでは断熱性能は高まりません。
そして隙間風は、目に見えないような場所から入り込みます。

一見すると奇麗に出来上がっている住宅でも、
※見切り材、巾木などの奥の方
※フローリングと壁の境目
※壁と天井の境目
※内装材とサッシの境目
※サッシからの流入
※吸気口、排気口からの流入
※給排水設備管の周辺
※釘、ビスの打ち損じ部分
※構造金物隙間からの流入
など、様々な部分から隙間風は入り込みます。
これらの理由を「グラスウールだから」としてきた感があると思います。
「グラスウールは性能が悪い」
のではなく、「家の施工精度が低い」事が原因だと考えています。

グラスウールは結露すると言われる理由

「グラスウールは結露する」と言われる理由。

使用されるケースが圧倒的に多かったグラスウールは、寒さの厳しい東北、北海道でも使用されています。
そして、東北北海道では、燃焼系暖房機器を多用してきました。
1か月200リットルの灯油を使用する事もある、東北北海道エリアでは、同量の水蒸気が室内で発生している事になります。
灯油は炭素と水素の化合物で、燃焼する事で、炭素(C)と水素(H)が分解、ばらばらになります。
炭素(C)は、空気中の酸素(O)と結びついて二酸化炭素(CO2)となり、
水素(H)は、空気中の酸素(O)と結びついて水(H2O)となります。
この水は水蒸気として家内部にとどまり、壁や、壁内部で結露となって水蒸気から水に変化します。
つまり、”グラスウール”が原因で結露しているわけではありません。
燃焼系暖房機器から発せられる”大量の水蒸気”が原因で結露しているにすぎません。
しかし、壁内結露被害が発生した家の大半で「グラスウール」が使用されていた事から、「グラスウールは結露する」に繋がったのだと思います。

そして、断熱材がこれらの水蒸気を吸収する事も無いと判断しています。
セルロース断熱材は湿気を吸収する!と言われますが、弊社の実験では吸収していないと判断しています。
詳しくは「セルロース調湿比較」をご覧ください。
仮に吸収したとしても、その量はわずかで、室内湿度を変化させるには程遠いと判断しています。

24時間換気に関して

24時間換気に関して

「10年後ホームリサーチが倒産したら、どうやってAir断を直せば良いのでしょうか?Air断が、24時間換気として機能しなくなったら、シックハウス症候群になる可能性も出てきますよね」

ご質問がありましたのでお答えします。

まずシックハウスに関しては、10年が目途になります。
家に使用される建材から発生する”ホルムアルデヒド”などの揮発物質は、2〜5年でゼロになると言われています。
10年換気すれば、家で使用された建材が原因で”シックハウス症候群”になる事は無いと考えられています。
ただし、住まい手が新たに持ち込んだ家具、その他の商品に、”ホルムアルデヒド”等の有害物質を含む商品が含まれている事があります。
これらを考えて、24時間換気を動かす事を推奨しています。
仮に10年後、Air断が故障して動かなくなったとしても、(通常換気ファンの寿命が10年前後です)作り手側に、シックハウスに関する責任は無いと判断されます。




ホームリサーチが倒産した場合、Air断の取り換えは出来なくなるかもしれません。
しかし、販売店や取り扱い加盟店が多数あり、資本注入や買収などで、倒産を回避する可能性が極めて高いと判断しています。
また、Air断は、稼働部品が少ないパーツの集合体です。非常に壊れにくいと判断しています。
(在庫も多数そろえてあるので、販売店や取扱店が修理や取り換えに対応してくれると判断しています)
故意、落雷、自然災害などによる故障以外は、5年間の保証を行っています。
別途保証料をお支払いいただければ、落雷、自然災害時にも保証対象となる10年保証をお付けする事も可能です。

カビに関して

シューズクローゼット内のカビに関して。

Air断住宅で、「シューズクローゼット内の革の靴がカビた」と報告がありました。
クローゼット内の、コートなどでもカビの報告がありましたが、これは使用者側の問題だと判断しています。
靴の場合、良く乾かしてからシューズクローゼットに入れないと、カビの原因になります。
また、コートなども、長期間クローゼットにかけておく場合、一度クリーニングに出してからクローゼットにかけた方が良いと思います。

Air断の「食パン」実験でもわかるように、カビの発生が遅れるだけであって、カビが発生しないわけではありません。
特に、湿度が高い沿岸部などでは、いくらAir断住宅であっても、使用者環境によりカビが発生します。
脱衣所で部屋干しする場合など、脱衣所にある衣類ケース、タンスなどの裏側でカビが発生したケースがあります。
(高価な桐のタンスなどの方がカビやすいと言われます)

Air断だからカビない!わけではない事をご理解ください。

高気密高断熱だからなのでは?

「モデルハウスが高気密高断熱で作られているから、データが良いのではないか?」
とご質問がありました。

ここで、愛知県知多郡モデルハウスの断熱材気密性能をご報告します。

断熱材はグラスウール10K相当。
気密シート無し。

超低気密、超低断熱住宅です。

ご質問に対して

「以前の動画では、吸気口から入る空気は14℃だったはず」
と質問を受けました。

Air断モデルハウスは、様々な場所で温度を測定し、改良を加えています。
建築当時に配置した吸気口は14℃でしたが、他の場所では20度まで上昇する事が分かり、場所を変更。
現在はエアコン暖房の影響を受ける場所から吸気する事で、20度前後の吸気になっています。

「エアコン暖房を切ると、室内の温度は下がるのでは?」
もちろん下がります。
Air断が動いていれば、さらに下がります。
夜間エアコン暖房を止める場合、Air断は、居室ファンも自動で止まるように設定されています。
しかし、結露リスクが高まると全てのファンが稼働。
さらに小屋裏ファンは深夜でも動いて、通気層の対流を促します。
通気層を対流させる事で、外部の熱を遮断し、室内温度の低下を防ぎます。
(一般的に全館空調として活用する場合、エアコンは24時間動かす事が前提となります。
特に冬は、深夜が一番温度が下がります。この時間帯に適度な暖房をする事で、家の温度低下を防ぎます。
またオール電化の場合、深夜電力の方が安くなるので、深夜も20度前後の暖房を行う事を推奨しています)

細かな設定は、地域差や暖房の環境、そしてお客様の意見によって変化します。
施工工務店と協議し、お客様に適した設定を行う事で、快適な冷暖房環境になると考えています。