「エアコン1台で全館空調出来るの?」
はい、出来ます!しかし・・・
エアコン1台での全館空調は、基本的に24時間冷暖房を行なう事が基本です。
さらに、夏季、1階リビングエアコンの冷気は、動きにくいのがポイント。
冷たい空気は、床面に沈殿して定着、なかなか上昇する事はありません。
2階を冷やすには、1階リビングエアコンの冷気の層が2階まで溜まってこそ、2階が冷え始めます。
サーキュレーターや、ダクトファンなどで、2階に冷気を送り込んでも、冷たい空気はなかなか上昇する事がなく、
上昇した時には、冷たさを失っているとも言われます。
2階を冷やすには、1階全てに冷気をため込んで、2階に押し上げなければ2階は冷えません。
対して、1階、2階の部屋で冷房を行なうと、身の丈ほどの高さまで冷房すればよい事になります。
1階天井付近を冷気で埋め尽くす必要はありません。
冷房する範囲が少なくなるので、エコにつながります。
全館空調リビングエアコン1台での冷暖房は、細かな温度設定が出来ません。
2階お子様の部屋、奥様の部屋の温度を、個別に設定する事は不可能。
そして、全館空調の場合、各部屋のドアを開けておくことが基本設定となります。
プライベート空間を確保したい場合に、この基本設定が障害となります。
リビングエアコン1台での全館空調は、不可能ではありませんが、メリットが少ないと判断しています。
以前に比べエアコン価格が割安になってきた事を考えると、各部屋エアコンの方が長期的に見ればエコで、
冷暖房費も下がると想定しています。
「耐震性に関して、どう考えていますか?」 耐震性に関してご質問があったのでお答えします。
これは弊社独自の見解です。必ずしも正しいとは言い切れない事を前提にお聞きください。
地震国日本では、たびたび巨大地震が発生します。
その中で培われた耐震技術は、世界ナンバーワンとも言われます。
特に、2000年以降国交省が定めた「新耐震基準」で建てられた全ての家は、最大震度7に遭遇しても倒れないように設計されています。
しかし、自分の家が倒壊しなくても、隣家の倒壊や火災などの2次災害に巻き込まれ、家を失う人が多いのも事実です。
さらに、巨大地震が発生する確率は100%と言われますが、自分の家が、最大震度7エリアに入る確率は5000分の1、0.02%と言われ、
とても低いのです。
この、とても低い確率を想定して、必要以上に耐震性を高める事が重要だとは思えません。
どれだけ耐震性を高めても、2次災害に巻き込まれては、なす術がないわけですから!
そして、最も重要な問題が、耐久性です。
どれだけ耐震性を高めても、その性能を長期的に維持できるのか?と言う耐久性に関する問題です。
2014年熊本地震では、新耐震基準で建てられた家が倒壊しています。
業界に衝撃が走りましたが、その後の調査で、雨漏りによる木材の腐食が、倒壊の原因とされました。
つまり、耐震性を高めるよりも、雨漏りや結露による、木材腐食防止の方が重要だと言われるようになっています。
現在の家は、「防水工事」が雨漏りを防いでいます。
つまり、建築後、防水が劣化したら、雨水が建物に浸入してしまいます。
浸入した雨水は、長期間乾燥する事なくとどまり、次第に、家内部の木材を腐食させます。
腐食した木材は、急激に耐震性を失い、元に戻る事はありません。
室内に「ポタポタ」と雨漏りしてからでは時すでに遅し、その前に劣化した箇所を見つけ出す必要があります。
しかし、目視で劣化箇所を見つけ出すのは困難を極めます。
そして、さらに怖い問題が、「結露」です。
結露は、「防水の劣化」とは無関係、建築後すぐに発生する事もあります。
特に気密性が高い最近の家は、あらゆる場所に、結露リスクが存在します。
風通しが悪く、外部温度の影響を受けやすい場所こそ結露が発生しやすい場所。
そして、最近の高気密住宅は、まさに、そんな場所の宝庫。様々な場所で結露が発生し、長期間乾燥する事なくとどまります。
この水分により、重要な構造木材が腐食、家は耐震性を失います。
そして、失った耐震性は、戻る事はありません。
つまり、耐震性よりも耐久性を高める事が重要!と言う事になります。
Air断住宅では、耐久性を維持するために、張り巡らせた水分センサーが雨漏り・結露を、監視しています。
こちらはAir断住宅の、センサーカレンダーです。
水色のバーが付いた日が、水分センサーが反応した日です。
家の壁内部、小屋裏、床下、に配置された水分センサーが、雨漏りや結露を24時間365日監視しています。
そしてこちらが、実際に反応したグラフです。
グラフでは、
12番センサーが、深夜から反応し、明け方に止まっています。グラフの反応値から、雨漏りなのか結露なのかも判別可能。
そしてこの反応は結露です。
12番センサーは、北側の壁。つまり北側の壁内部で結露が発生、同時にファンが稼働し、発生した水分を乾燥させる事で、
水分センサーの反応が止まった事を示しています。
そしてさらに怖いのは、ピンクのバーです。
ピンクのバーが付いた日は、温度と湿度から計算した、「結露リスクがとても高い状態の日」を示しています。
結露リスクが低い日の方が少ないですよね。
つまり、壁内部は、年中結露リスクが発生している事になります。
この「結露リスクが高い時間帯」を、室外、室内、小屋裏、床下の温湿度センサー値を集計して計算し、
結露リスクが高まるとファンを動かして結露を抑制、家を長期的に見守るのがAir断住宅です。
耐震性は、高めるよりも維持する事が大事。
そして、家の耐久性を高める事が、震度7にも耐えられる耐震性を維持する事に繋がり、同時に断熱性能を高める事にもつながる!と考えています。
これが、弊社の耐震性に対する考え方!です。
皆様の家づくりにお役に立てれば幸いです。
「床下に熱は無い!」 大学教授の指摘で、熱源の正体を発見・・・
2015年当時、Air断初物件で、真冬の床下温度が14℃を下回らない「原因」が不明でした。
「床下に熱源がある!」
と考えるしかなかったのですが、その熱がどこから来てるのか?が分からなかったんです。
その噂を聞きつけたのが、元静岡大学の高信教授です。
静岡で有名な全館空調工法の開発に尽力した教授でした。
現在は退職して、福島県に住んでいます。
高信教授から、「地盤表層には熱は無い、それは100か所以上の調査で証明している。もちろん、地盤下5m以下には、20℃前後の恒温層がある事は分かっている。しかしその熱は利用できない。この14℃を下回らない床下の熱は、暖房の熱が床下に流れていると考えるべき」
鋭い指摘を受けました。
我々は、2016年2月12日のデータをお見せして、
「2月11日から13日まで、モデルの暖房を全て停止させた時のデータがこちらです。
特に12日は、室内温度が8℃台まで低下しています。
しかし、床下の温度を見てください、14℃もあるんです。
暖房熱が床下に逃げているとは考えられません、暖房してないんですから」
と反論。
「しかし、我々が調査した100か所以上の地点の地盤温度は、熱などなかった。
10℃でも熱があれば、それは凄い事だよ!それが14℃もあるなんて考えられない・・・」
首をかしげる教授に
「教授達はどこを測定したんですか?」
「もちろん地盤表面から50p下だよ!100か所はゆうに超えている。海沿い、山、様々な表面温度を測定して、外気と同じ温度を確認したんだ。温度センサーも、もっと高性能なセンサーを使ってる。間違っている事はない」
自信満々に言い切る教授に放った一言が、全てを解決しました。
「教授、そこに、家は建ってましたか?」
「家など建ってないよ、家が建ってる床下なんて計れるはずもない・・・」
「今、我々がお見せしているのは、家が建った状態の床下温度ですよッ」
「エッ・・・・。
アッ、家が熱を遮ってるって事?2階建ての家が、熱を遮断してるって事?
アッ、そうかぁ・・・・
家かぁ・・・・
そうだッ・・・・
家だッ・・・・家が熱を遮断してるんだッ」
これが、「恒温層」と繋がる床下熱の原因でした。
「あんたたち、これ、大発見だよ!家かぁ、家が熱を遮断してたんだぁ・・・気付かなかった、たまたまとはいえ凄い・・・。!分かった!謎が解けた、ありがとう!あの時気付いていれば・・・・いや、本当に凄い・・・」
笑顔で帰って行かれました。
嫌味なオッサンだなぁ!と思いつつも、教授の鋭い指摘があったからこそ、床下熱の原因を知る事が出来たわけです、今では感謝しています。
これがきっかけとなり、床下温度を正確に推測する事が可能になりました。
家のどのあたりが、床下熱が最も高い場所なのか?推測する事も出来るようになりました。
そして、北海道モデルハウスの建設に自信を持てました。
そして、北海道でも、床下には外気より10℃以上高い熱が蓄えられていました。10℃の熱ではありません、外気より10℃以上高い熱です。
この熱を活用して換気するからこそ、Air断は、エコな冷暖房を可能にしています。
教授、あの時はありがとうございました。
そして、この情報が、皆さまのお役に立てれば幸いです。
Air断で家を建てるには?
Air断で建てるには、Air断取り扱い工務店に依頼するのが最も簡単です。
しかし、Air断取り扱い工務店が近くに存在しない場合は、Air断では建てられません。
そこで、次のサービスを開始しました。
まず、建てたい場所、建てたい大きさ、間取り、そして建築時期をお伝えください。
Air断に最適な基本プラン図を無料で作成します。
その後、近隣50〜100社の工務店に、プラン図を配布し、Air断コンペに参加していただきます。
A工務店
「今回は忙しいので、見送ろう」
B工務店
「その時期なら丁度仕事が切れる時期なので、参加するか!」
C工務店
「この間取りなら、こないだ間違えて発注し在庫になったユニットバスが使えるよなぁ〜、
あの在庫使ってもらえるなら、この価格で入札!っ」
「社長ッ、この価格安いっすねぇ〜、うちで決まりますよッ・・・」
「お前が間違えて発注したんだろ、少しは反省しろッ・・・」
自社の状況に合わせてコンペに参加出来るので、工務店の負担も下がります。
また、広告宣伝費や、営業コストがかからない分、さらにコストが下がります。
通常5社に相談すると、5社それぞれの特色を生かしたプランと見積もりが提出され、プロの私たちでも、比較が困難です。
しかしAir断コンペの場合、基本プランに沿った見積もりなので、比較が簡単。最も安価な工務店が、その時期最も安価に建ててくれる工務店と判断出来ます。
これには、かなりメリットがあるのではないでしょうか?
数社と打ち合わせをして、気に入った工務店と契約。
もちろん、心配事は遠慮なくご相談ください。
「地盤調査をしたら、地盤が弱い事が分かって、地盤改良費用が170万円追加になるそうなんですが、どうしたらいいでしょうか?」
「地盤調査報告書見せてください、うーん、N値2.5程度であれば、ベタ基礎で十分だと思いますよ。
愛知モデルも、北海道も東京も、同じような報告書でしたが、一切地盤改良していません。
一般的な木造2階建であれば、ベタ基礎で十分なんですが、心配ならAirアンカー使用しますか?沈下したら持ち上げればいい・・・」
様々な心配事に、第三者的立場でアドバイスします。
さらに建築中は、
「この部分にも、防水テープ施工してもらえませんか?」
「こんなところに防水テープが必要なの?雨水は入らないでしょ!なんで??」
「雨水は入りませんが、空気が入り込むんです。ここは丁寧にお願いします」
「すいません、こにはコーキングを塗布してもらえませんか?」
「ボンドじゃ駄目なの?」
「ハイ、ボンドは、数年後、割れた時に気密性を失うんです。弾力性のあるコーキングじゃないと、5年後、10年後の気密性を担保出来ないんです。」
10年後、20年後、30年後を見据えて、可能な限り「メンテナンスフリー」で、耐久性を高める切り札をお伝えします。
そして、負圧設計のAir断だからこそ知り得た、気密漏れの巣窟個所を徹底的に指導。超長期的に気密性を低下させない工夫もお伝えしています。
もちろん、完成時には気密テストを行ない、問題個所を再チェック。
問題があれば、手直しして、再度チェック・・・。気密漏れが無くなるまで行ないます。
引き渡し後は、水分センサーが、壁、床下の、雨漏り結露をチェック。
水分を検知したら、お知らせして注意喚起を促します。
気になる料金に関してです。
ホームリサーチへの支払いは一切ありません。
ホームリサーチは、契約した工務店から、Air断費用をいただくことで、これらのサービスを運用しています。
つまり、お客様は無料で第三者アドバイスを受ける事が可能。
もちろん、Air断コンペを途中でやめる場合も、費用は一切かかりません。
いかがでしょうか?
Air断取り扱い工務店が無いエリアの皆様、ご活用いただければ幸いです。
最後に…
※基本プラン図は、最初のたたき台です。
ご自由に変更してください。
※コンペでは、お客様の氏名、住所、建築場所は公表しません。
ご安心下さい。
夏季のカビに関して
愛知モデルハウスでは、夏季の“カビ”に悩まされます。
革製品、コート、イグサ系座布団、出入りしない部屋の無垢材フローリング面では、たびたびカビが発生しました。
カビの発生メカニズムは、夏季水蒸気を含んだ空気が室内に入り込み、それを、革製品、コート、イグサ系製品が吸い込んでカビを誘発していると推測しています。
しかし、同じ状態の北海道モデルハウス、東京モデルハウスでは、カビは一度も発生していません。
「湿度が違うのでは?」
北海道も東京モデルも、愛知モデルと変わらない“絶対湿度”であることを確認しています。(夏季20g/㎥程度)
愛知モデルと、北海道、東京モデルとの違いは、吸気の場所です。
愛知モデルは、初期物件だったので、1階天井の様々な場所から吸気を行なっています。
さらに、天井カセットエアコンなので、吸気した空気全てがエアコンを通っているわけではありません。
逆に、北海道、東京モデルハウスでは、エアコン上部だけに吸気口を設け、エアコンで除湿した空気が入り込むように設計しました。
さらに、愛知モデルでは、引き違いサッシを多用しています。
北海道、東京モデルでは、引き違いサッシはありません。
FIX窓や開き戸タイプの窓だけなので、サッシから空気が入り込む事はありません。
さらにもう一つ、愛知モデルには、基礎パッキン部分の不織布がありません。
北海道、東京モデルハウスでは、セットした不織布が、カビ菌を排除していると想定しています。
今季東京モデルには、愛知モデルで毎年カビが発生した『革のカバン』と『革靴』を持ち込み、テストしています。
9月3日時点で、カビは発生していませんでした。
追加検証として、愛知モデルでは、水切り下部の不織布を取り付ける工事を行ない、来年のカビ発生テストをする予定です。
入り込む水蒸気を減らす事は出来ませんが、カビ菌を減らす事が出来れば、同じ湿度でも、カビの発生を抑える事が出来るのでは?と想定しています。
今後も検証を進めて報告します。
掃除した記憶がありません・・・
築7年になるAir断住宅の寝室カーテンレールを撮影しました。
住まい手曰く、「掃除した記憶はない」とのことです。
うっすらとホコリが確認できますが、“築7年掃除していない”とは思えませんよね。
比較的、上部はホコリが溜まりにくく、下の方は上部よりもホコリが溜まります。
(ホコリが溜まると言っても、一般住宅とは比較にならないほどホコリが溜まる量は少ないです)